TWilight INSanity 台詞集
JavaScriptを有効にしていないと見られないと思います。
ネタバレ注意。
#誤字脱字など気になったところには下線が引いてあります。マウスカーソルを乗せると注釈が出ます。
共通OPテロップ 羽板兄妹 西條姉妹 ホシミ姉妹 エンディング SEQUEL ストーリー考察(特大ネタバレ注意)
羽板兄妹
Stage1 "Ignition"
2100/01/26 21:25
ニュース速報
先頃Illnetにて発生したGenesisCity完全封鎖事故
は、未だ原因が判明しておりません。
GenesisCityにアクセスしていた人の半数以上が
Illnetに精神ごと取り込まれるというバニシング
ゴースト現象に遭遇しているとの情報も入っており
ます。
現在、Illnet全域に対するDrive-INが禁止されてい
ます。事故原因が判明し、安全が確認されるまでは
一般の方はIllnetへのDrive-INは出来ません。
繰り返しお伝えします。先頃───
さくら
お兄ちゃん、だいじょうぶかな……。
腕時計型携帯端末
ぴろりろ〜ぴろりろ〜(ピッ)
さくら
お兄ちゃん! 今どこ!?
慎也
おわ! あ、ああ。今は、AHC研究所だ。
さくら
よかったー。Illnetで変な事件があったから心配し
たんだよ。
慎也
ああ、それはすまなかったな。
オレは、Drive-INしてなかったから大丈夫だ。
とは言っても、こっちもたくさんの人とAHが事故に
巻き込まれてて、てんやわんやだよ。
さくら
うん、そうだよね。
慎也
それで、だ。
実は、この事故の調査を依頼されてな。
これから、IllnetにDrive-INすることになった。
さくら
ええ!? 危険なんじゃないの!?
慎也
ああ、もちろん危険もあるけど。
誰かが行かないといけないしな。
それと、出来ればさくらにも手伝って欲しいんだ。
さくら
ちょっと、お兄ちゃん。私は部外者だよ!?
慎也
そうは言っても、よく研究所にも顔を出しているし
さくらのプログラムの腕は、みんな良く知ってる。
それにオレ一人じゃ危ないと思うだろ?
さくら
自分でそんなこと言わないの。
もう、仕方がないなあ。
慎也
よし、頼むよ。
さくら
うーん。とりあえず、もうすぐ発売される電子ペッ
トの「レッシーくん」で手をうってもいいよ。
慎也
おいおい、報酬を取るのか?
さくら
だって、お兄ちゃん、研究所からお給料もらってる
でしょ? お手伝い賃ぐらい払っても罰はあたらな
いよ?
慎也
分かったよ。
とりあえずDrive-INの準備をしてくれ。
合流はDrive-INプロセスのA518地点で。
さくら
うんっ。じゃあ1分で行くよ。
慎也
今回は仕事だから手続き省略するなよ。
さくら
あ、ごめん。じゃあ2分待ってね。
2100/01/26 21:32:05
SAKURA DRIVE-IN PROCESS....START
SHINYA DRIVE-IN PROCESS....START
慎也
くそ。
なんかワームやらウィルスやらが増えているな。
さくら
うん……。
ねえ、お兄ちゃん。
今回の事故のこと、詳しく教えてよ。
慎也
ああ、そうだな。
まず、仮想都市の一つのGenesisCityへの出入りが
完全に出来なくなっているというのはいいな?
さくら
うん。
慎也
実は、出入りが不能になる直前にGenesisCity全体
が何者かに乗っ取られた。
さくら
え? 仮想都市を丸ごと!?
そんなことが!?
確かあそこの防衛システムは随一だと思ったけど。
慎也
その通りだ。
だが、実際には一瞬で仮想都市丸ごと乗っ取られた
という痕跡が残っているんだ。
さくら
うーん……。
でも、このワームとかも犯人の仕業かな?
慎也
おそらくそうだろう。理由はよく分からないが。
そもそも犯人がGenesisCityを封鎖したことの理由
が分からない。
【犯人の目的は?】
さくら
犯人は騒ぎを起こしたかっただけだと思う。
慎也
愉快犯か?
まあ、ありえない話じゃないが……。
【分岐終了】
さくら
犯人はGenesisCityに何か大事なものがあるんだと
思う。
慎也
その可能性はあるかもしれない。
だが、街全体って言うのは、ちょっとやりすぎな気
がするな。
【分岐終了】
さくら
犯人はGenesisCityそのものを人質に取ったんだと
思う。
慎也
今のところ、犯行声明とか脅迫文みたいのは来てい
ないな。だが今後そういうアクションがあるかもし
れない。
【分岐終了】
さくら
あ、そろそろ認証システムだね。
だいぶ時間がかかっちゃったよ。
ミア=オース
あれ? お姉ちゃんだち。
今、ここは通行禁止だよー。
慎也
いや、オレ達のアカウントは、通れるようにしても
らっているはずだが……。
ミア=オース
ええー? そんなの聞いてないよー。
ここは通行禁止!
さ、帰って帰ってー。
さくら
……。
慎也
おかしいな。申請は通っているはずだが……。
さくら
お兄ちゃん!
あの子、乗っ取られてる!
慎也
何!?
ミア=オース
あれー!?
お姉ちゃん、今、私の中を覗いたの!?
すごーい、速ーい。
さくら
お兄ちゃん。どうする?
慎也
時間が惜しい。強行突破だ。
ある程度は許可されてるから!
さくら
……そう。ごめんね、ミアちゃん。
ミア=オース
むー。
お姉ちゃんたちがその気でも、通さないよー。
慎也
さくら、こいつと戦えるか?
さくら
……うん、大丈夫。
でもなるべく傷つけないように突破しよう。
慎也
そうだな。
ミア=オース
……コード403。認証違反を確認。
対象をデリートします────
【侵食率分岐】
【双子使用率分岐】
さくら
ミアちゃん!
慎也
くっ! 手加減できなかった。
かなり破壊してしまったな。
だが修復は可能だろう……。
ミア=オース
…………。
慎也
ごめんね……。
あとで、私が直してあげるから……。
2100/01/26 21:46:21
SAKURA DRIVE-IN PROCESS....SUCCESS
SHINYA DRIVE-IN PROCESS....SUCCESS
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
ミアちゃん!
慎也
大丈夫。機能を一時停止させただけだ。
ミア=オース
…………。
さくら
よかった……。
2100/01/26 21:46:21
SAKURA DRIVE-IN PROCESS....SUCCESS
SHINYA DRIVE-IN PROCESS....SUCCESS
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
ミアちゃん!
慎也
くっ! ダメだな。
破壊してしまったな。
ミア=オース
…………。
さくら
ごめんね……。
2100/01/26 21:46:21
SAKURA DRIVE-IN PROCESS....SUCCESS
SHINYA DRIVE-IN PROCESS....SUCCESS
【分岐終了、次のステージへ】
Stage2-A "歓楽街の空"
2100/01/26 21:50
さくら
あれ? ここ、PhantasyCityだよね?
GenesisCityに行くんじゃなかったの?
慎也
目的地はGenesisCityだが、GenesisCityに直接行く
のは、危険すぎるからな。
こちらから回り込むことになったんだ。
さくら
ふーん。
でも、ここにも、ずいぶんワームとかウィルスが、
発生しちゃってるみたいだね。
慎也
ああ。どうやら、本格的にまずそうだな。
さくら
ちょっと急いだ方がいいかもしれないね。
慎也
まずはGenesisCityに続く高速道路を目指すぞ。
さくら
了解だよ。
さくら
……うーん。
慎也
どうだ? 何か変わったところはないか?
さくら
このあたりは、ワームが増えているだけみたい。
特にネットワークトラフィックも増えてないし、
この街も乗っ取りが進んでるとか、そういう形跡は
見あたらないよ。
慎也
他の街も乗っ取られたという報告はないから、
やはりGenesisCityだけが目的か?
さくら
GenesisCityと言えば……
【GenesisCityと言えば……】
さくら
Illnetで一番古い街だよね。
慎也
そうだな。出来てからもう10年にもなる。
Illnetの発展は急速だな。
【分岐終了】
さくら
Illnetで一番セキュリティの高い街だよね。
慎也
そうだな。あそこは、Illnetの中枢機能が備わって
いるからな。
【分岐終了】
さくら
去年、統括部が双子ハッカーに侵入されたよね。
慎也
そんなこともあったな。実際には大きな被害は出て
ないみたいだけど。まさか、あそこを破れる人間が
いるなんて驚きだよ。
【分岐終了】
シェリー
そこの二人組、止まりなさい。
慎也
え?
さくら
警備員のAHだね。
シェリー
民間人か? Illnetの中央指令からDrive-OUTの命
令が出ているだろう? 即刻Drive-OUTしなさい。
慎也
待て。怪しい者じゃない。銃を向けるな。
さくら
お兄ちゃん、この人も……。
慎也
分かってる。AHが、いきなり銃を向けてくることは
ありえない。こいつも、ウィルスに乗っ取られてる
な。
シェリー
こそこそ言ってないで、IDを見せなさい。
怪しいそぶりを見せたら撃ちますよ。
【警備員戦】
慎也
分かった。ええーと、IDはだな……。
シェリー
早く言いなさい。
さもないと……………………っ!!
さくら
えーい!!
【分岐終了】
さくら
ええと、IDね。ID……なんだったかなー?
シェリー
早く言いなさい。
さもないと………………っ!!
慎也
はあああああああっっっっっ!!
【分岐終了】
【侵食率分岐】
【双子使用率分岐】
シェリー
…………。
さくら
お兄ちゃん。もう少し手加減した方が……。
慎也
ん? ああ、すまん。やりすぎたか。
さくら
この子だって好きでこんな風になったんじゃないん
だよ?
慎也
……。
【分岐終了、次のステージへ】
慎也
ふう。なんとか、機能停止させることが出来たな。
シェリー
…………。
さくら
この先にも、こんなAHがたくさんいるのかな。
慎也
……覚悟はしておいた方がいいかもしれないな。
さくら
うん、大丈夫。頑張る。
【分岐終了、次のステージへ】
シェリー
…………。
慎也
ふう。結構、疲れたな。
さくら
壊さずに止めたかったけど……。
慎也
やむをえない。人の命にも危険が及んでいるんだ。
さくら
……うん。
【分岐終了、次のステージへ】
Stage2-B "夜の住む街"
2100/01/26 21:50
さくら
あれ? ここ、PhantasyCityだよね?
GenesisCityに行くんじゃなかったの?
慎也
目的地はGenesisCityだが、GenesisCityに直接行く
のは、危険すぎるからな。
こちらから回り込むことになったんだ。
さくら
ふーん。
そういえば、一般の人たちのDrive-OUTは完了した
の?
慎也
ああ、大体完了したようだな。
さくら
……。
慎也
どうした?
さくら
え? あ、ごめん。あそこに、取り残された電子ペ
ットがいたから……。
慎也
ああ、本当だ。きっと脱出の時の混乱で忘れられた
んだろうな。
さくら
……。
慎也
さくら。
さくら
分かってるよ。お兄ちゃん。
全部拾ってたら、大変だもんね。
分かってるから。
慎也
時間も押してる。行くぞ。
さくら
うんっ。
慎也
この街では、特に乗っ取りの兆候とかは見られない
な。
さくら
ワームやウィルスは増えてるみたいだけどねー。
慎也
これは、やはりGenesisCityをターゲットとしてい
ると見て間違いないようだな。
さくら
そういえば、お兄ちゃんのところって
「AHCの研究所」じゃない?
どうして、この事件の調査をしているの?
慎也
ああ、それはだな。簡単に言えば、AHCが、この事
件に使われている可能性があるからだ。
さくら
GenesisCityの乗っ取りに?
慎也
知っていると思うが、本来AHCは人間に対して害を
なすような行動は取れないように設計されてる。
さくら
うん。あの原則だよね。
慎也
今回の事件では、ほんの一瞬で一つの仮想都市が乗
っ取られている。都市のプロテクト解除、自己修復
機能の無力化、データ書き換え。いずれも膨大な量
の計算が必要とされるはずだ。
外部の計算機を接続して力づくで乗っ取ることも可
能だが、それではあまりにも目立ちすぎる。となれ
ば都市内部のAHCが何らかの形で利用されていると
考えるのが自然だろう。
【AHCはどのように利用された?】
さくら
高価なAHCが犯罪に使われてる?
慎也
いや、高価なAHCは、足がつきやすいから犯罪には
向かないだろう。もっと単純にAHCを改造するとか
している可能性のほうが高いな。
【分岐終了】
さくら
複数のAHCを使用して高度な計算をさせた?
慎也
そうだな。あそこは、Illnetの中枢機能が備わって
いるからな。
【分岐終了】
さくら
改造されたAHCが使われた?
慎也
AHCに手伝わせるとしたら、そういう可能性は非常
に高いだろうな。
【分岐終了】
さくら
うーん。
慎也
ともかく、AHCが関わっている可能性が高いので、
今回の事件の調査となったわけだ。
さくら
でも、確か、AHCって……。
シェリー
そこの二人組、止まりなさい。
慎也
え?
さくら
警備員のAHだね。
シェリー
こんなところで何をしている?
慎也
待て。怪しい者じゃない。銃を向けるな。
シェリー
現在、一般の人間は、Drive-IN禁止だ。
即刻、Drive-OUTしなさい。
さくら
お兄ちゃん、この人も……。
慎也
分かってる。AHが、いきなり銃を向けてくることは
ありえない。こいつも、ウィルスに乗っ取られてる
な。
シェリー
こそこそ言ってないで、IDを見せなさい。
怪しいそぶりを見せたら撃ちますよ。
【警備員戦】
慎也
分かった。ええーと、IDはだな……。
シェリー
早く言いなさい。
さもないと……………………っ!!
さくら
えーい!!
【分岐終了】
さくら
ええと、IDね。ID……なんだったかなー?
シェリー
早く言いなさい。
さもないと………………っ!!
慎也
はあああああああっっっっっ!!
【分岐終了】
慎也
……さくら!!
さくら
うんっ!!
【分岐終了】
【侵食率分岐】
【双子使用率分岐】
シェリー
…………。
さくら
お兄ちゃん。もう少し手加減した方が……。
慎也
ん? ああ、すまん。やりすぎたか。
さくら
この子だって好きでこんな風になったんじゃないん
だよ?
慎也
……。
【分岐終了、次のステージへ】
慎也
ふう。なんとか、機能停止させることが出来たな。
シェリー
…………。
さくら
この先にも、こんなAHがたくさんいるのかな。
慎也
……覚悟はしておいた方がいいかもしれないな。
さくら
うん、大丈夫。頑張る。
【分岐終了、次のステージへ】
シェリー
…………。
慎也
ふう。結構、疲れたな。
さくら
壊さずに止めたかったけど……。
慎也
やむをえない。人の命にも危険が及んでいるんだ。
さくら
……うん。
【分岐終了、次のステージへ】
Stage3 "Doll with will"
2100/01/26 23:46
【フラグ分岐】
さくら
ねえ、お兄ちゃん。
たしか、ミアちゃんやシェリーさんには、相手を強
制的にDrive-OUTさせる権限はあっても、人間を傷
つけることはできないはずなんだよね?
慎也
AHのコア部分のAHCには、いわゆるロボット三原則
が組み込まれているからな。AHCが壊れるか書き換
えられることがなければ、人間に危害を加えること
はない。
【分岐終了】
さくら
ねえ、お兄ちゃん。さっきの続きだけど、ミアちゃ
んややシェリーさんには、相手を強制的にDrive-OUT
させる権限はあっても、人間を傷つけることはでき
ないはずなんだよね?
慎也
繰り返しになるが、AHのコア部分のAHCには、いわ
ゆるロボット三原則が組み込まれているからな。AH
Cが壊れるか書き換えられることがなければ、人間
に危害を加えることはない。
【分岐終了】
さくら
さっき、ミアちゃんやシェリーさんは、ウィルスに
乗っ取られて、AHCを書き換えられてたじゃない?
慎也
ああ。しかし、AHCの部分っていうのは、一般には
公開されていない。AHC部分を壊すことは可能だと
思うが、書き換えは、内部のソースを知っている人
間にしかできないはずだ。
さくら
犯人はかなり限られた範囲の人だと思うんだけど。
慎也
オレもそう思うよ。
だけど今のところ犯人のめぼしはついていないな。
【犯人は誰?】
さくら
まさか、お兄ちゃんが犯人じゃないよね?
慎也
身内を疑うなよ……。
さくら
身内だからこそ疑ってるんだよ。お兄ちゃんなら、
出来そうだからね。
慎也
出来る出来ないと、するしないは別の問題だろ?
オレはそんなことしないよ。
さくら
あはは、冗談。分かってるよ。
【分岐終了】
さくら
犯人は、今もGenesisCityにいるのかな?
慎也
分からない。GenesisCityの周りに張られた光壁は
どうやらナノマシンも使われてるみたいで、突破
はすごく大変なようだ。
さくら
ずいぶんと手が込んでるね。
慎也
こんなことに能力を使うくらいなら、オレに分けて
欲しいよ。
さくら
史上最年少のAHC研究員が言う台詞じゃないよ。
慎也
その称号は、本当はお前のものだったんだけどな。
さくら
私じゃ無理だよ。私のプログラムは、ほら、感覚で
書いているところが多いから、ちゃんとしたお仕事
はできないよ。
慎也
感覚で書けるのが、才能なんだよ。まあ、さくらが
やりたくないのを無理にとは言わないよ。
さくら
……うん。ごめんね。変な話になっちゃって。
慎也
ん、ああ。オレこそ、変な話してすまんな。
さて、高速道路で車も人もいない。少し飛ばすか。
さくら
うんっ! 行こう!
【分岐終了】
さくら
お兄ちゃんの知っている人が犯人っていう可能性も
あるってことだよね?
慎也
嫌な話だが、そういうこともありうるな。
クラスの連中ならやりかねない気もするし。
さくら
友達を疑うのはよくないよ。
慎也
悪友だけどな。
さくら
すごく、優秀な人たちじゃない。
慎也
さくらが、そう言ってたって知ったら、あいつら喜
ぶな。
さくら
うーん。べ、別に私は、そ、そんな……。
慎也
でも、頭のいい奴が必ずしも人間的に優れているわ
けじゃないからな。こんな事件を起こした奴だって
優秀であるには違いないさ。
さくら
そうだね……。
【分岐終了】
【フラグ分岐】
真夜
こんなところまで来る人間がいるとは驚きだ。
だが、見る限り、たいしたことはなさそうだ。
慎也
なんだと!? どういう意味だ?
真夜
ふん。わたしは、GenesisCityの外側のワームたち
の統率者だ。
お前たちがここまでどういう経路で、そしてどのく
らいのワームを倒してきたか分かっている。
さくら
……この子、プロテクトが尋常じゃない。
真夜
ほう。わたしのプロテクトを解こうと言うのか?
さくら
くっ……!
真夜
無駄だな。わたしのプロテクトは特別製だ。解ける
ようなら私のマスターと同等のレベルだろう。
慎也
お前、ワームの統率者だと言ったな?
真夜
そうだ。わたしの役目はワームを統率し、この外壁
を守ること。
さくら
そんな!?
あなたは、人間に危害を加えているのよ?
真夜
それがどうした。
わたしは、わたしの役目を果たすだけだ。
慎也
馬鹿な……!
AHがウィルスの統率など……。
さくら
お兄ちゃん。この子、おかしい。
慎也
ああ。強制的に突破するしかないな!
真夜
ふっ……出来るかな? お前たちごときに!
【分岐終了】
真夜
こんなところまで来る人間がいるとは驚きだ。
なるほど。なかなか優秀な人間のようだな。
慎也
どういう意味だ?
真夜
ふん。わたしは、GenesisCityの外側のワームたち
の統率者だ。お前たちがここまでどういう経路で、
そしてどのくらいのワームを倒してきたか分かって
いる。
さくら
この子。プロテクトがすごい……けど。
真夜
こいつ!!! わたしのプロテクトを!?
さくら
………む……むむ………。
真夜
ば、馬鹿な! こいつ!!
さくら
……解けた!!
慎也
でかした! さくら!
真夜
ありえん!! この短時間で!?
お前たち、一体何者だ!
さくら
ただの双子の高校生だよ。
真夜
くっ……!
こいつら、この先に行かせるのは危険だな……。
さくら
お兄ちゃん! この子……!
慎也
どうした?
さくら
信じられないけど、乗っ取られてるわけじゃない。
初めから「ワームを統率して人間に危害を加えるよ
うに」プログラムされてる。
慎也
ありえない。何かの間違いではないのか?
おい、お前のAHCは一体どこで作られたものだ!?
真夜
ふん。どうしてそんなことを聞く?
そんなことより自分たちの心配をしな!
ここで消し去ってやる!
慎也
さくら、気をつけろ!
今までのやつとは格が違う……!
さくら
う、うんっ!
【分岐終了】
真夜
くっ……思った……以上に。
さくら
この子……強い……。
慎也
ようやく勝てたが……なんという能力だ。
さくら
あなたのマスターは、本当にすごい人なのね。
真夜
同情など……。
慎也
本題が残ってる。GenesisCityの中に入るためのパ
スワードを教えろ。
真夜
言うと思うか……?
【双子使用率分岐】
【慎也の選択】
慎也
ならば勝手に奪い取らせてもらう。
真夜
好きに……しろ……。
慎也
分かった。好きにさせてもらう。
真夜
どうせ、そのIDとパスワードでは、入ることしかで
きん……。
さくら
一方通行なのね。
慎也
それでも行くって決めたんだ。
真夜
そうか……。
【分岐終了、次のステージへ】
慎也
出来れば、手荒なことはしたくない。IDとパスワー
ドを教えてくれ。
真夜
…………。
慎也
中に残された人を助けたいし、なにより、お前たち
AHCが人間を傷つけるなんてことは見たくない。
真夜
どうせ私のデータを読み取ることなど造作もないの
だろう。好きにすればいい。
慎也
分かった。好きにさせてもらうよ。
真夜
どうせ、そのIDとパスワードでは、入ることしかで
きん……。
さくら
一方通行なのね。
慎也
それでも行くって決めたんだ。
真夜
そうか……。
【分岐終了、次のステージへ】
慎也
すまない。お前たちに罪などないのは分かってる。
AHCとこんな風に戦うなんてしたくないんだ。
だけど、あの光壁の向こう側にある真実を知りたい
んだ。
真夜
AHのわたしに謝るとは不思議なやつだな……。
勝手に……わたしをスキャンしろ。
もう抵抗する力は、ない。
慎也
ありがとう。
真夜
どうせ、そのIDとパスワードでは、入ることしかで
きん……。
さくら
一方通行なのね。
慎也
それでも行って何が起きているか、この目で見極め
たい。
真夜
お前たちなら……いや、なんでもない。
さっさと行け。
【分岐終了、次のステージへ】
【さくらの選択】
さくら
あまりやりたくはないけど、あなたの中を勝手にス
キャンさせてもらうね。
真夜
好きに……しろ……。
さくら
……うん。
真夜
どうせ、そのIDとパスワードでは、入ることしかで
きん……。
慎也
一方通行か。
さくら
中には、外に出るためのパスワードを持っている人
がいるんでしょ。あなたが、外にいると言うことは
そういうことでしょう?
真夜
ふん……。
さくら
よし大丈夫。行こう、お兄ちゃん。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
これ以上、あなたを傷つけたくないの。
あなたの口から教えて欲しいの。
真夜
…………。
さくら
お願い。AHCをこんな風に使う人を、私は許すこと
ができない。たとえどんな目的があったとしても。
真夜
……お前にデータを送った。
さくら
うん。ありがとう。
真夜
どうせ、そのIDとパスワードでは、入ることしかで
きん……。
慎也
一方通行か。
さくら
中には、外に出るためのパスワードを持っている人
がいるんでしょ。あなたが、外にいると言うことは
そういうことでしょう?
真夜
ふん……。
さくら
よし大丈夫。行こう、お兄ちゃん。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
ごめんなさい。あなたをこんな風に傷つけるつもり
はなかったの。
ただ、私たちはどうしても真実が知りたいの。この
世界を、AHCを乗っ取ってなにをしようとしている
のか。
間違いは、正さないと。だから、ごめんなさい。あ
なたのIDとパスワードを教えて。
真夜
AHのわたしに謝る、か……。お前たちのようなもの
がいたら、わたしのようなAHも生まれなかっただろ
うに。
さくら
どういうこと?
真夜
たしかに真実は、光壁の向こう側にある。
……パスワードは、いま、そちらに送った。
さくら
分かった。ありがとう。
真夜
どうせ、そのIDとパスワードでは、入ることしかで
きん……。
慎也
一方通行か。
さくら
中には、外に出るためのパスワードを持っている人
がいるんでしょ。あなたが、外にいると言うことは
そういうことでしょう?
真夜
……。
さくら
道は開いた。行くよ、お兄ちゃん。
【分岐終了、次のステージへ】
Stage4-A "静寂の街"
2100/01/27 01:28
さくら
誰もいないね。
慎也
ここからは外部と連絡が取れないみたいだな。
さくら
この街にいた人たちは、どうなったのかな?
慎也
想像はついてるだろうが、この街に飲み込まれたん
だろうな。
さくら
バニシングゴースト……。
慎也
ああ、そういうことだ。
肉体ごとIllnetに取り込まれてしまったんだろう。
さくら
だったら、Illnetに取り込まれてた精神はどうなっ
ちゃったんだろ?
慎也
バニシングゴースト自体がほとんど事例がないから
分からないが、長時間に渡って精神と肉体を分離さ
せたままではいられないのは確かだ。
IllnetへのDrive-INが可能になったのは精神と肉体
の分離が可能だと分かってからのことだが、Illnet
に長く居るような人でも、一日に何回かはDrive-OU
Tするのが普通だろ。
肉体が在る以上、眠くもなるし、腹も減るからな。
さくら
肉体が無くなるって、どんな状態なのかな?
慎也
さあな。
だが、この街の様子を見る限り、精神だけでIllnet
に留まっている人間はいないようだな。
さくら
まだわからないよ。
まだ生きてる人がいるかもしれないし。
慎也
ああ、そうだな。
慎重に周りを見て進んでいこう。
慎也
街の方では、あまり情報は得られなかったな。
さくら
やっぱり、原因はこの統括部の建物の中にあるのか
な。
慎也
おそらくな。
だが、GenesisCityの統括部は、この街の中枢シス
テムというだけではなくIllnetの中枢でもある。
もしこの建物の中が破壊されているなら、Illnet全
域にもっと大きな影響が出てもおかしくない。
つまり、犯人の目的は破壊ではない、あるいはまだ
破壊していないかということになるな。
さくら
建物の中はまだ無事なんだよね。
でも、いつもはすごい厳重な警備なのに今日は誰も
いなくて変な感じだよ。
慎也
いや、どうやら誰も居ないって訳じゃなさそうだ。
アルト
あらあら。
こんなところに人がいるなんて。
見落としてましたわ。
慎也
またAHか。
今回の事件の黒幕はよほどAHが好きなんだな。
(おい、さくら。こいつの解析できるか?)
アルト
それはマスターに聞いてみないと、わたくしからは
お答えできませんわ。
さくら
これは……!?
あなた、一体どういう構造をしてるの!?
アルト
あら、第二プロテクトまで破られるとは思いません
でしたわ。でも、その先は特別製ですから、貴方が
た程度の能力では解析できませんわよ?
【アルトの秘密……】
慎也
お前はここで何をしていた?
アルト
うふふ。ここまで来れたご褒美に少しだけ教えて差
し上げましょう。
人探しですわ。
さくら
人探し?
こんな誰もいない街で?
アルト
これ以上のことは、貴方がたには関係ございません
から、お引取り下さいませ。
わたくしは真夜たちのように闘いが好きなわけでは
ありませんので、今なら無料で無傷で無意識のうち
に現実世界に帰して差し上げますわ。
慎也
たくさんの人の犠牲が出てるんだ。
お前達の勝手な行動を見過ごすわけにはいかない。
アルト
無粋ですわね。
わたくしが何故この入り口の守護をしているのか、
お分かりにならないほど頭が悪いわけでもないでし
ょうに。
わたくしは強いですわよ?
それでも闘うとおっしゃるのですか?
慎也
だんだんムカついてきたな。
お前のマスターとやらには、お仕置きが必要なよう
だ。
アルト
いいでしょう。
先程のご褒美は冥土の土産にして差し上げますわ。
【分岐終了】
慎也
お前も人間を攻撃できるのか?
アルト
そうですわよ。マスターのお役に立つ。それがわた
くしの存在意義。人間をデリートすることも当然許
可されてますわ。
さくら
あなたのAHCも真夜さんと一緒のものなのね?
アルト
くすっ。真夜のものよりも、わたくしのAHCのほう
が改良されたものですわよ。真夜のように、無能な
人間に惨敗を喫するような真似は致しませんわ。
慎也
だんだんムカついてきたな。
お前のマスターとやらには、お仕置きが必要なよう
だ。
アルト
マスターには指一つ触れさせませんわ。
この指輪にかけて、ここでわたくしが貴方がたをデ
リートさせて頂きましてよ。
【分岐終了】
慎也
お前は何のために作られた?
アルト
不思議なことを聞くのですね。わたくしたち、AHが
作られた理由なんて一つしかありませんことよ。
マスターに仕え、マスターを支え、マスターのお役
に立つこと。これ以外にはありませんわ。
慎也
マスターを愛してます、って感じだな。
マスターに近付く者は何人たりとも、ってか?
アルト
あら。もの分かりがいいですわね。そういう殿方は
嫌いじゃないですわ。ここで素直にお引取り頂ける
と、さらに好感度アップなのですけど。
さくら
言いたい放題ね。
でも、この事件を放っておくわけにはいかないよ。
アルト
でしたら、貴方がたを排除するまで、ですわ。
この指輪にかけて、ここでわたくしが貴方がたをデ
リートさせて頂きましてよ。
【分岐終了】
【双子使用率分岐】
慎也
ようやく終わったか……。
さくら
この子、壊しちゃったけど仕方ないよね。
AHCも完全に書き換えられてるんじゃ直しようがな
いし。
アルト
…………。
さくら
この子たちのマスターって、何者なの……。
【分岐終了、次のステージへ】
アルト
…………。
さくら
こんな風にAHを壊すなんて、もう嫌だよ。
慎也
見た目も言動も人間に似せてあるから、余計にな。
さくら
この子だって、こんな最期を望んで作られたわけじ
ゃないのに……。
慎也
行こう。
こいつのマスターをとっちめないとな。
さくら
うん、そうだね……。
【分岐終了、次のステージへ】
Stage4-B "無音の街"
2100/01/27 01:28
さくら
誰もいないね。
慎也
ここからは外部と連絡が取れないみたいだな。
さくら
この街にいた人たちは?
慎也
想像はついてるだろうが、この街に飲み込まれたん
だろうな。
さくら
バニシングゴースト……。
慎也
ああ、そういうことだ。
肉体ごとIllnetに取り込まれてしまったんだろう。
さくら
Illnetに取り込まれたってことは、再構成が可能っ
てことにもなるかな?
慎也
どういうことだ?
さくら
だって、肉体が取り込まれたってことは、肉体の構
成要素はIllnetにあるってことでしょ?
慎也
もし、本当に「物理的に取り込まれた」のであれば
そうかもしれんが。
さくら
「取り込まれた」っていうのが、本当がどうか分か
らないんだね……。
慎也
これまで判明しているのはIllnetにDrive-INしたま
ま肉体が無くなってしまうということと、Illnetか
らDrive-OUTできない精神体は消滅してしまうとい
うことだけだ。
さくら
肉体から解放されて不老不死の精神体になる、なん
てふうに上手くはいかないんだね。
慎也
そんな単純な話なら、自分からバニシングゴースト
の実例になろうとする奴が出てきてもおかしくない
だろうからな。
さくら
ところで、ここから先はどうするの?
慎也
当面の目的地はGenesisCityの統括部だな。Illnet
の中枢である以上、乗っ取りと無関係ではないはず
だ。
さくら
それだけ?
慎也
他にも何かあるかもしれない。
慎重に周りを見て進んでいこう。
慎也
街の方では、あまり情報は得られなかったな。
さくら
やっぱり、原因はこの統括部の建物の中にあるのか
な。
慎也
おそらくな。
だが、GenesisCityの統括部は、この街の中枢シス
テムというだけではなくIllnetの中枢でもある。
それにしても、犯人の目的は何だろうな?
さくら
ねえ、お兄ちゃん。
この街に入るときに光壁を抜けたじゃない?
あの光壁にナノマシンが使われてたみたいだけど。
慎也
ああ、オレもそれには気がついていたが。
さくら
犯人はナノマシンにも精通してるってことになるよ
ね?
慎也
そういうことになるな。
ワーム、ウィルス、AH、ナノマシン。
犯人の博識と見境の無さには感動すら覚えるよ。
さくら
ねえ。
昔会った、神月さんっていう凄いプログラマの人覚
えてる?
慎也
神月……。
プログラミングコンテストの審査委員長やってた人
か?
さくら
うん。
あの人なら、これくらいのことはできたよね。
慎也
そうかもな。
だが、あの人は確か、バニシングゴーストの犠牲に
なって────
さくら
……うん。
私、あの人のことすごく尊敬してたんだよ。聡明っ
ていうのかな、あんなふうになりたいなって。
慎也
ああ、格好いい女性だったよ。
さくら
あれあれ?
お兄ちゃんは、ああいうタイプの女の人が好み?
慎也
な!?
そういう意味じゃないぞ!?
さくら
くすくす。
慎也
ああ、もうからかうのはよしてくれ。
しかし、AHとナノマシンか。
そういえば……。
さくら
どうしたの?
慎也
確か、神月さんはナノマシンとAHの融合という論文
を──
アルト
あらあら。
こんなところに人がいるなんて。
見落としてましたわ。
慎也
またAHか。
今回の事件の黒幕はよほどAHが好きなんだな。
(おい、さくら。こいつの解析できるか?)
アルト
それはマスターに聞いてみないと、わたくしからは
お答えできませんわ。
さくら
これは……!?
あなた、ナノマシンを使ってるの!?
アルト
あら!?
第四プロテクトまで破られるなんて……。
真夜が倒されたのもうなずけますわね。
慎也
ナノマシンを使ったAH!?
ほとんど普及してないはずなんだがな。
お前は一体どこで作られた?
アルト
マスターに関して、お話するつもりはございません
わ。
さくら
あなた、ここで何をしていたの?
アルト
さあ?
何をしていたんでしょうね?
慎也
オレたちのような、GenesisCity統括部に近付く者
の排除、ってところか?
アルト
確かにそれもわたくしのお仕事の一つですわ。
さくら
あなたも人間に危害を加えるために作られているの
ね!?
アルト
その表現は正確ではありませんけど、間違ってはお
りませんわ。
【アルトへの疑問……】
慎也
お前のマスターは異常だな。
アルト
マスターは貴方がたとは見ている世界が違うのです
わ。ご理解するのは難しいでしょうけど。
さくら
そう言ってごまかしたって、たくさんの人があなた
のマスターの犠牲になってるのは変わらないよ。
慎也
そういうことだ。
悪いが、お前のマスターに合わせてもらおう。
アルト
貴方がたが何を思おうが勝手ですが、わたくしの使
命はマスターをお守りすること。
この指輪にかけて、ここで貴方がたを排除させて頂
きます!
慎也
やれるもんならやってみろ!
【分岐終了】
慎也
自分が何をしてるのか分かってるか?
アルト
もちろん承知しておりますわ。わたしはマスターの
お役にたつためにここにいる。何も矛盾した行動は
ございませんことよ。
慎也
こいつ、何を言っても通じそうにないな。
さくら
たくさんの人たちがバニシングゴーストに巻き込ま
れたんだよ。なんでそんなことするの? あなたの
マスターはおかしいよ。
慎也
ああ、全く同感だな。こいつらのマスターとやらは
狂ってるとしか言いようがない。
アルト
マスターのことを悪く言うのは許しませんわ。二度
とそんな口が叩けないようにして差し上げますわ。
【分岐終了】
慎也
お前たちは何のためにこんなことを?
アルト
その質問には、わたくしは答える義務も権利もござ
いませんわ。
慎也
そりゃ、そういうふうに作られてるんだろうな。
アルト
作られたのではなく、作り変えられたのですけど。
まあ、些細な違いでしかありませんわ。
さくら
え!?
アルト
さて。歓談の時間は終わりですわ。ここで引き返して頂け
るなら大歓迎。現実世界まで一瞬でお送りいたしますわ。
ですが──
この先に進むつもりでしたら、この指輪にかけて、
わたくしが全力でお相手させて頂きます。
手加減無しですから、命の保障はできませんわ。
慎也
悪いが、そう簡単に追い返されるつもりはない。
アルト
そうですか。
では。
ごきげんよう。
【分岐終了】
【双子使用率分岐】
アルト
強い……油断して、しまいました、わ……
慎也
ようやく機能停止か。
さすが、というところか。
さくら
お兄ちゃん、大丈夫?
ケガしてない?
慎也
ああ、問題ない。
時間が惜しい。先に進もう。
アルト
……お待ちなさ……い。
慎也
何だ?
引きとめようとしたところで、オレたちは引き返す
つもりはないぞ?
アルト
貴方がたは……何のために……進むのか……教えて
くださいません……こと……。
【慎也たちが進む理由……】
慎也
事件の解決のためだ。
アルト
そう……ですか……。
【分岐終了】
慎也
犠牲になった人のためだ。
アルト
そう……ですのね……。
【分岐終了】
アルト
これほど強い相手とは……思ってもいませんでした
……わ。
さくら
はあ、やっと大人しくなってくれたね。
慎也
まったく。
てこずらせてくれたよ。
ちょっと時間を食ったな。急ごう。
さくら
……そうだね。
アルト
……お待ちなさ……い。
さくら
何?
アルト
貴方がたは……何のために……進むのか……教えて
くださいません……こと……。
【さくらたちが進む理由……】
さくら
事件を解決するためだよ。
アルト
そう……ですか……。
【分岐終了】
さくら
犠牲になった人のためだよ。
アルト
そう……ですのね……。
【分岐終了】
さくら
AHが人間の心を知ろうとするなんて。
あなたのAHCによる感情はもしかしたら人間の感情
に限りなく近づいているのかもしれないね。
慎也
だが、このAHCは感情を持ったからこそ人間の敵に
なってしまった失敗作だ。
さくら
失敗作、か……。
【分岐終了、次のステージへ】
Stage4-C "沈黙の街"
2100/01/27 01:28
さくら
誰もいないね。
慎也
ここからは外部と連絡が取れないみたいだな。
さくら
この街にいた人たちは?
慎也
想像はついてるだろうが、この街に飲み込まれたん
だろうな。
さくら
バニシングゴースト……。
慎也
ああ、そういうことだ。
肉体ごとIllnetに取り込まれてしまったんだろう。
さくら
あっ……!?
慎也
どうした?
さくら
ううん、なんでもない。
たいしたことじゃ、ないから……。
慎也
ああ。また置いてきぼりをくらった電子ペットか。
可哀想だが、飼い主にもう一度会うのは難しいだろ
うな。
さくら
うん。そうだね……。
慎也
そういえば、お前が飼ってる電子ペットも、だいぶ
増えてるよな。
さくら
そうだね、今で24匹だよ。
このお仕事が終わったら25匹目を買ってもらえる
んだよね?
慎也
う……。
ああ……まあ……そうだな。
さくら
名前、考えておかなくちゃ。
慎也
電子ペットか。
そういえば、オレたちが初めて飼った電子ペットに
は悪いことをしたな。
さくら
……うん。
慎也
まだオレたちのプログラムの知識も浅かったから、
改造しようとして結局壊してしまった。
『ユキ』って名前だったよな。
さくら
…………。
慎也
すまん。
あまり、したくない話だったな。
さくら
ううん、大丈夫だよ。
もちろん、ユキのことは可哀想だったけど。
今はね、そんなことしないで、みんなちゃんと可愛
がってあげてるんだよ。
お兄ちゃんは興味ないみたいだけど。
慎也
まあな。
しかし、24匹も飼ってて大変じゃないのか?
さくら
全然、大変じゃないよ。
みんな、可愛くてたまらないよ。
ずうっと、キューって抱きしめていたいよ。
慎也
そうか。
まあ、それなら、いいんだが。
さくら
それで、お兄ちゃん。
これからどうするの?
慎也
当面の目的地はGenesisCityの統括部だな。Illnet
の中枢である以上、乗っ取りと無関係ではないはず
だ。
さくら
それだけ?
慎也
他にも何かあるかもしれない。
慎重に周りを見て進んでいこう。
慎也
街の方では、あまり情報は得られなかったな。
さくら
やっぱり、原因はこの統括部の建物の中にあるのか
な。
慎也
だが、GenesisCityの統括部は、この街の中枢シス
テムというだけではなくIllnetの中枢でもある。
おそらくはここだと思うが──
さくら
最高レベルのセキュリティで守られてるんだから、
外から攻撃して一瞬で乗っ取るなんて信じられない
よね。
慎也
だが、そのセキュリティも今は完全に無力化されて
るようだな。
さくら
いつもならすごい厳重な警備なのに、今はワームと
ウィルスだらけだもんね。
慎也
そういえば、去年、GenesisCityがクラックされた
事件があったな。
さくら
あの『双子のハッカー』っていう噂のやつだよね。
慎也
その時は、一番外側の隔壁を突破されただけで、中
にはほとんど侵入されなかったみたいだけどな。
さくら
中はトラップがいっぱいだって話だもんね。偽装空
間も作られてる、ってのも聞いたことがあるよ。
慎也
そんな大層な話の前に、まずは目の前のワームとウ
ィルスをなんとかしないとならんけどな。
さくら
ん!? 誰か来る……!
アルト
あらあら。
貴方がたでしたのね。
この街を荒らして廻っていたのは。
慎也
おいおい、それはこっちの台詞だよ。
(おい、さくら。こいつの解析できるか?)
さくら
ちょうど今終わったとこ……ろ!?
あなた、ナノマシンを使ってるの!?
アルト
あら?
第四プロテクトまで、こんなにあっさりと破るなん
て……。
さくら
それに、このAHCのコード……。
こんなの見たことない……。
アルト
なるほど。
これは、早急に排除が必要ですわね。
慎也
くっ!
こいつは一体!?
アルト
貴方がたの優秀さに免じて、少しだけ教えて差し上
げますわ。わたくしのAHCは、わたくしのマスター
に作って頂いた、特別なもの。
今、このIllnetに存在するどんなAHCよりも優れたA
HCですわ。圧倒的な処理速度と情報神経密度に支え
られた多彩な感情表現。
わたくしはマスターに感謝しておりますわ。廃棄さ
れていたわたくしを拾っていただいただけでなく、
こんなにも素晴らしいAHCを授けて下さったのです
から。
【アルトの訪ね人……】
慎也
お前のマスターが作っただと?
アルト
そうですわ。貴方もAHCを開発しているようですけ
ど、わたくしのマスターには敵いませんわ。
慎也
言いたい放題言いやがって……。
アルト
さて、楽しいおしゃべりの時間はおしまいにして、
このあたりで引き返してはいかがかしら?
貴方がたがわたくしのマスターとお会いしたところ
で、気が合うとは思えませんもの。
さくら
そうだね。こんな事件を起こして平然としてられる
人とは仲良くできないよ。
慎也
全く同感だな。仲良くする前に、AHCの開発の基本
を再教育してやらないといけないな。
アルト
あらあら、逆効果でしたのね。でしたら、力ずくで
も帰って頂くのみ。一瞬で勝負がついても恨まない
で下さいませ。
あなた方を排除いたします。
この指輪にかけて。
【分岐終了】
慎也
お前、指輪をしているのか?
アルト
この指輪がどうかなさいまして?
慎也
普通のAHは、そういった装飾品を付けない。
アルト
これは、とても大切な指輪ですわ。これは…。
……。
さくら
これは…?
アルト
…理由は忘れてしまいましたが、とても大切なもの
ですわ。いわゆるお気に入りですわね。
慎也
「お気に入り」だと?
そんな感情を持っているのか。
アルト
さて、楽しいおしゃべりの時間はおしまいにして、
このあたりで引き返してはいかがかしら?
貴方がたがわたくしのマスターとお会いしたところ
で、気が合うとは思えませんもの。
さくら
そうだね。こんな事件を起こして平然としてられる
人とは仲良くできないよ。
慎也
全く同感だな。仲良くする前に、AHCの開発の基本
を再教育してやらないといけないな。
アルト
あらあら、逆効果でしたのね。でしたら、力ずくで
も帰って頂くのみ。
あなた方を排除いたします。
この指輪にかけて。
【分岐終了】
慎也
人に危害を加えるAHCが素晴らしいだと?
アルト
それは考え方の違い方でしかございませんわ。わた
くしのマスターと貴方では、立場も違えば能力も違
う。貴方がマスターを理解できなくとも不思議では
ありませんもの。
慎也
たとえ負の感情を表現することが正しかったとして
も、他人を傷つけることは犯罪でしかない。それは
人間もAHも同じことだ。
さくら
お兄ちゃんの言うとおりだよ。
こんな事件を起こして何も感じていないのなら、あ
なたのAHCは優秀とは言えない。
アルト
今のわたくしに必要なのは、貴方がたを敵であると
認識する目と、マスターの命令を忠実に守る意志。
AHはマスターのために存在するのですから。
慎也
どうやら根本から考えが合わないようだな。あんた
のマスターには、AHCの開発の基本を再教育してや
らないといけないようだ。
アルト
あらあら、逆効果でしたのね。でしたら、力ずくで
も帰って頂くのみ。一瞬で勝負がついても恨まない
で下さいませ。
あなた方を排除いたします。
この指輪にかけて。
【分岐終了】
慎也
廃棄寸前のAHを作り直したのか?
アルト
そうですわ。そのくらい、わたくしのマスターであ
れば造作もないこと。
慎也
信じられん……。
アルト
さて、楽しいおしゃべりの時間はおしまいにして、
このあたりで引き返してはいかがかしら?
貴方がたがわたくしのマスターとお会いしたところ
で、気が合うとは思えませんもの。
さくら
そうだね。こんな事件を起こして平然としてられる
人とは仲良くできないよ。
慎也
全く同感だな。仲良くする前に、AHCの開発の基本
を再教育してやらないといけないな。
アルト
あらあら、逆効果でしたのね。でしたら、力ずくで
も帰って頂くのみ。一瞬で勝負がついても恨まない
で下さいませ。
あなた方を排除いたします。
この指輪にかけて。
【分岐終了】
アルト
……マスター……申し訳…ございま…せん。
【双子使用率分岐・使用率の高いほうが先にしゃべる】
慎也
だんだんきつくなってきたな。
さくら
お兄ちゃん、大丈夫?
|
|
さくら
お兄ちゃん、大丈夫?
だいぶ大変だったよね?
|
慎也
さくらはまだ元気だな。
さくら
そんなことないよ。
結構疲れたよ。
慎也
しかし、ここでのんびり休んでいく訳にもいかない
からな。こいつのマスターが何をしですか分からな
い。
アルト
……お待ちなさ……い。
慎也
何だ?
引きとめようとしたところで、オレたちは引き返す
つもりはないぞ?
アルト
貴方がたは……何のために……進むのか……教えて
くださいません……こと……。
【双子使用率分岐】
慎也
AHがそんな質問をするとは、な。
【慎也たちが進む理由】
慎也
事件の解決のためだ。
アルト
そう……ですか……。
さくら
どうしてそんなことを聞くの?
アルト
さあ……。
ただ……わたくしのAHCが……知りたいと……願った
だけ…ですわ。
慎也
信じられないな。
AHが人の心を知ろうとするなんて。
さくら
うん。
普通のAHCではありえないよね。
すごい……。
慎也
だが、このAHは人間に刃を向ける。
それは許されない。
さくら
でも、この子の多彩な感情表現は、AHCの進化の方
向性の一つだと思うよ。
慎也
感情表現の進化の方向……。
【分岐終了、次のステージへ】
慎也
犠牲になった人のためだ。
アルト
そう……ですのね……。
さくら
どうしてそんなことを聞くの?
アルト
さあ……。
ただ……わたくしのAHCが……知りたいと……願った
だけ…ですわ。
慎也
信じられないな。
AHが人の心を知ろうとするなんて。
さくら
うん。
普通のAHCではありえないよね。
すごい……。
慎也
だが、このAHは人間に刃を向ける。
それは許されない。
さくら
でも、この子の多彩な感情表現は、AHCの進化の方
向性の一つだと思うよ。
慎也
感情表現の進化の方向……。
【分岐終了、次のステージへ】
慎也
人間とAHのためだ。
アルト
人間と……AHのため……?
慎也
こんな事件を、もう二度と起こしたくないってこと
だ。Illnetにいる全ての人間、AHのためにもな。
さくら
うん、そうだね。
慎也
まずは、この奥にいる、こいつのマスターを捕まえ
てとっちめないとな。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
AHがそんな質問をするなんて。
【さくらたちが進む理由】
さくら
事件の解決のためだよ。
アルト
そう……ですか……。
さくら
どうしてそんなことを聞くの?
アルト
さあ……。
ただ……わたくしのAHCが……知りたいと……願った
だけ…ですわ。
慎也
信じられないな。
AHが人の心を知ろうとするなんて。
さくら
うん。
普通のAHCではありえないよね。
すごい……。
慎也
だが、このAHは人間に刃を向ける。
それは許されない。
さくら
でも、この子の多彩な感情表現は、AHCの進化の方
向性の一つだと思うよ。
慎也
感情表現の進化の方向……。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
犠牲になった人のためだよ。
アルト
そう……ですのね……。
さくら
どうしてそんなことを聞くの?
アルト
さあ……。
ただ……わたくしのAHCが……知りたいと……願った
だけ…ですわ。
慎也
信じられないな。
AHが人の心を知ろうとするなんて。
さくら
うん。
普通のAHCではありえないよね。
すごい……。
慎也
だが、このAHは人間に刃を向ける。
それは許されない。
さくら
でも、この子の多彩な感情表現は、AHCの進化の方
向性の一つだと思うよ。
慎也
感情表現の進化の方向……。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
人間とAHのためだよ。
アルト
人間と……AHのため……?
さくら
うん。
この事件でたくさんの人、たくさんのAHが犠牲にな
ってる。
ミアちゃんやシェリーさんは、本当に関係ないのに
巻き込まれて……。
だから進もうと思うの。
こんな事件を二度と起こさせないように。
アルト
そう…………………。
慎也
さくら……。
さくら
お兄ちゃん、行こう!
事件はまだ解決してないよ。
【分岐終了、次のステージへ】
Stage5-A "彼方"
2100/01/27 03:11
【双子使用率分岐】
さくら
おにーちゃーん。
もう、どこ行っちゃったのー?
慎也
ああ、すまん。こっちだ。
さくら
もー! ちゃんと時間通りに戻ってきてよ。
慎也
すまんすまん。だが、怪しいところを見つけた。
これを見てみろ。
さくら
え……!
なに? この通路?
慎也
ここの偽装を見抜くのは大変だったよ。
さくら
すごい……位相を保ったまま空間が歪んでるなんて
……外からじゃ全然分からない。お兄ちゃんに言わ
れなかったら見逃してたかも。
慎也
見つけたのは偶然だけどな。
ほんのわずかだが、不自然な継ぎ目があった。
さくら
さすがは、お兄ちゃんだね。
慎也
ともかくこの先に行ってみようと思うが、どうだ?
さくら
うん。私もそれでいいと思うよ。
慎也
おそらくこの先は、これまでとは比べ物にはならな
いくらい厳しい道のりになるだろう。くれぐれも下
手な失敗はするなよ。
さくら
もー!
もっと私のことを信じてくれてもいいのに!
慎也
あああ、い、いや、信じてないわけじゃない。研究
所のやつらより、よっぽど頼りにしてるよ、うん。
さくら
くすくす。
うん。分かってるよ。
そんなに必死に言わなくても大丈夫だよ。
慎也
そ、そうか……。
さくら
さあ、行こう、お兄ちゃん。
私たちなら大丈夫だよ。
【分岐終了】
慎也
おーい、さくらー。
どこ行ったー?
さくら
あ、おにーちゃーん。
遅れてごめん。
慎也
ああ、よかった。
どこかでワームにでも襲われてんじゃないかと心配
したよ。
さくら
……ごめんなさい。
慎也
ん? まあ、無事でよかった。
それで、そっちは何か分かったか?
さくら
あ、そうだ!
お兄ちゃん、これを見て。
慎也
な、なんだよ。
さくら
そこじゃなくて、もう少し左の……。
そう、そのあたり。
慎也
う──ん?
おおっ!?
なんだ、この通路は……!?
さくら
ね、驚きでしょ?
まさか、こんな通路が偽装されて隠されているなん
て。
慎也
周りの外観からしても、ありえない形の通路だな。
完全に周りの空間を捻じ曲げて作ってある。
さくら
オマケに、すごいプロテクトだったんだから。
解くのに手間取っちゃって。
慎也
そうだろうな。
しかし、こんな通路、よく見つけたな。
さくら
あ、うん、偶然なんだけどね。
なんか、人の声が聞こえた気がして……。
慎也
オレだったら、間違いなく見逃していたな。
よくやったな、さくら。
さくら
うんっ。
慎也
様子からするとこの奥が本命だろうが……。
この先は、かなり厳しい戦いになるだろうな。
さくら、疲れてないか?
さくら
大丈夫。
さ、行こう、お兄ちゃん。
【分岐終了】
さくら
なに、一体!?
慎也
どういうことだ……?
アイギス
ここは、わたしの領域だ。
ワームなどに踏み込んでもらっては困る。
慎也
馬鹿な……。戦闘用のAH!?
アイギス
わたしの名前はアイギス。
この扉の防御システムそのものだ。
お前は「戦闘用AH」と言ったが、少し違う。
わたしの使命は「守護」。お前たちのような侵入者
のデリートは勿論、マスターのサポートやシステム
メンテナンスもわたしの使命の一つだ。
さくら
それでも、あなたも「人を傷つけることが出来る」
んでしょう?
アイギス
無論。
しかし、報告を見た限り、お前たち程度の腕では、
わたしが出る幕はあるとも思ってもいなかったが。
さくら
おあいにくさま。私たちには私たちのやることがあ
るもの。あの程度のワームなら、突破できるわ。
アイギス
なるほど、ただのラッキースターというわけでもな
さそうだ。ならば、お互いの背負った使命に懸けて
戦うのみ。
慎也
こいつは、強敵みたいだな……。
アイギス
お前たちは二人がかりでも構わない。周りのワーム
どもに手出しさせる必要もないだろう。
【双子使用率分岐】
慎也
さくら、お前は下がってろ。
オレ一人でやる。
さくら
お兄ちゃん!
そんな、相手の挑発に乗らなくても!
慎也
あいつの望みは一対一の決闘だ。たとえ狂ったAHで
も、最期の望みを叶えてもらう権利くらいはあるだ
ろう。
さくら
お兄ちゃん……。
慎也
さくらは安全なところまで下がっていろ。
さくら
負けないでね。
慎也
当たり前だ。
アイギス
どうした? まだかかって来ないのか?
まさか怖気づいたわけでもあるまい。
慎也
いや……お前の相手は、オレ一人だ。
一対一の真剣勝負、受けてくれるか?
アイギス
くく……はははははは!!
お前のようなやつがいるとはな!
こんなにも楽しい夜は初めてだ!
来い、羽板慎也!
お互い、最高の夜にしようじゃないか!!
○ボス撃破後
さくら
お兄ちゃん! 大丈夫? 怪我は?
慎也
大丈夫だ、大した怪我はない。だが、こいつは破壊
してしまったな。もう少し情報が欲しいところだっ
たが。
さくら
やっぱり可哀想……。
慎也
え?
さくら
この子にとって、この結末が幸せだったのかな?
アイギス
……………………。
慎也
戦い自体に楽しみを見出していたようだが……。
どうだろうな……。
さくら
私は、違うと思う。
AHは、こんなことのために存在してるんじゃないと
思うよ。
行こう。お兄ちゃん。この子たちのマスターには、
言わないといけないことがたくさんあるよ。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
……お兄ちゃん。ここは、私がやるよ。
慎也
おい!
一体なんでだ?
さくら
この子は一対一の対決を望んでいるんだよ?
その望みにこたえてあげようと思っただけ。
慎也
ダメだ。危険すぎる。
さくら
たとえ人を傷つけるような欠陥を持ったAHでも、
彼女には彼女の意志がある。
私は、それを無視したくない。
いいでしょ? お願い……。
慎也
…………。
…………分かった。お前がそこまで言うなら。
アイギス
どうした? まだかかって来ないのか?
まさか怖気づいたわけでもあるまい。
慎也
あなたの相手は、私一人よ。いいわね?
アイギス
くく……はははははは!!
お前のようなやつがいるとはな!
こんなにも楽しい夜は初めてだ!
来い、羽板さくら!
今宵の舞台は、わたしとお前だけのものだ!!
○ボス撃破後
さくら
……はぁ……はぁ……。
慎也
おい!さくら!大丈夫か?
さくら
うん。私は、なんとか……はぁ…はぁ。
でも、あの子は……。
慎也
……仕方がない。
アレだけの攻撃を仕掛けてきた相手だ。完全に破壊
する以外に止められなかっただろう。
さくら
機能停止させるつもりだったのに……。
慎也
あいつ、戦闘を楽しんでいたようだったな。そんな
AHCがあるなんて、この眼で見ても信じられん。
アイギス
……………………。
さくら
ごめんね……。
あなたを救ってあげたかったけど。
慎也
さくら……。
さくら
ごめん、お兄ちゃん。
泣いている場合じゃないよね。
慎也
いや、いいんだ。泣きたいときに泣いたって、誰も
文句は言わないだろうさ。
(こんなAHのためにも泣けるなんて。こいつは、オ
レが思っていた以上にAHと人間の境界を意識してい
なかったんだな)
【分岐終了、次のステージへ】
Stage5-B "闇へと続く道"
2100/01/27 03:11
さくら
ねえ、お兄ちゃん。AHCの感情表現開発って実際に
はどこまで進んでるの?
慎也
さくらが知っている程度と変わらないさ。
現在、AHCが表現できる感情は、喜び・感謝などの
「正の感情」、哀しみなどの「緩やかな負の感情」
だ。
だが、どれもまだまだ、嘘っぽい感じがするよな。
さくら
さっきの、真夜ちゃんやアルトさんみたいな「強い
負の感情」はまだ表現できないんだよね?
慎也
正確に言えば、強い負の感情は表現できる。だが、
制御ができない。強い哀しみが自分自身を傷つけ、
あるいは、強い怒りや憎しみが他人を傷つける。
さくら
さっきの真夜ちゃんたちのことだね。
慎也
そうだな。ただ、あいつらの負の感情はマスターへ
の忠誠からか、ある程度は制御されているように見
えたな。
さくら
強い負の感情は、AHに必要なのかな?
慎也
それは、難しい問題だな。AHCが感情をつかさどる
回路である以上、全ての感情表現が出来ることが望
ましいと思うが、人間の補助としての役割を担うAH
に強い負の感情が必要かと言われると……。
さくら
うーん、そうだよね。
AHは人間の補助のために作られたんだもんね……。
【双子使用率分岐】
慎也
…………おや?
さくら
突然どうしたの?
慎也
この壁の継ぎ目、おかしくないか?
さくら
うーん? そうかな?
慎也
さくら、ちょっと、そっち側を調べてくれ。
オレは、こっち側を調べてみる。
さくら
わかった。いいよ。
……。
慎也
……。
さくら
(え!? プロテクト!?)
慎也
さくら……どうした?
さくら
(解除できそう……)
慎也
さくら……どうした?
さくら
!?
こんな通路が隠されていたなんて……。
お兄ちゃん、よく気づいたね。
慎也
いや、まさか、こんなのが隠されているとは思わな
かった。このプロテクトをあっさり解除したさくら
にも驚いたけどな。
さくら
私は、別にそんなすごくないよ。
でも、この通路は、完全に空間を捻じ曲げて作って
あるね。
慎也
ああ、こいつはただのいたずらにしては、大掛かり
過ぎる。この先に進んでみるか?
さくら
そうだね。これだけの偽装、中に何かあるのは間違
いなさそう。
【分岐終了】
さくら
…………あれ?
慎也
どうした? さくら?
さくら
うーん……。
女の子の声が聞こえたような気がしたんだけど?
慎也
いや、オレには聞こえなかったが。
(まさか「私、実は霊感があるの!」とか言い出し
たりしないだろうな……)
さくら
あれ?
お兄ちゃんのすぐ近くに──
慎也
(ああ、そんな変な子じゃないと信じてたのに…)
さくら
ちょっと周り調べるから、動かないでいて!
慎也
(いや、たとえ、さくらが世間から冷たい目で見ら
れるようになったとしても、オレだけはこいつを守
ってやらないと────)
えっ……!!
さくら
すごい……。
こんな大きな通路が隠されていたなんて……。
慎也
これは……!
完全に空間座標軸が捻られている。
周りに影響はないだろうな?
さくら
たぶん大丈夫だと思うよ。位相は変わってないし、
特異点もないみたいだからね。
慎也
そうか。
だが、こんな通路が隠されていたとなると──
さくら
この奥があやしいよね。
慎也
なら、話は早い。
さっさとこの奥に進むぞ。
【分岐終了】
さくら
なに、一体!?
慎也
どういうことだ……?
アイギス
ここは、わたしの領域だ。
ワームなどに踏み込んでもらっては困る。
慎也
馬鹿な……。戦闘用のAH!?
アイギス
わたしの名前はアイギス。
この扉の防御システムそのものだ。
お前は「戦闘用AH」と言ったが、少し違う。
わたしの使命は「守護」。お前たちのような侵入者
のデリートは勿論、マスターのサポートやシステム
メンテナンスもわたしの使命の一つだ。
さくら
それでも、あなたも「人を傷つけることが出来る」
んでしょう?
アイギス
無論。
だが、それ以上に、戦闘ができるこの立場には満足
しているのだ。
強者と一戦を交えたときの緊張感。あれに勝るもの
はない。……お前たちの報告は受けている。なかな
かの腕のようだな。楽しませてくれよ。
慎也
戦いに喜びを見出すAHCだと!?
次から次へと信じられないものばかりを見ている気
がするな。
さくら
本当に、誰が、こんなAHCを──
アイギス
それを知りたければ、私を倒すことだ。お前たちの
知りたいことは、私の背中の向こう側にある。
慎也
こいつは、強敵みたいだな……。
アイギス
お前たちは二人がかりでも構わない。周りのワーム
どもに手出しさせる必要もないだろう。
【アイギスとの対決】
さくら
……お兄ちゃん。ここは、私がやるよ。
慎也
おい! 一体なんでだ?
さくら
この子は一対一の対決を望んでいるのよ?
その望みにこたえてあげようと思ってるだけ。
慎也
ダメだ。危険すぎる。
さくら
彼女が人間の敵であっても、そう仕向けたのは彼女
のマスター。都合良く作られた存在であっても……
彼女の意志がそこにある。一対一の決闘を望む意志
が。
私は、それを尊重してあげたい。
AHと人間は、最期は平等であるべきだと思う。
いいでしょ? お願い……。
慎也
…………分かった。負けるんじゃないぞ。
さくら
……うんっ。
アイギス
どうした?
まだかかって来ないのか?
まさか怖気づいたわけでもあるまい。
さくら
あなたの相手は、私一人よ。いいわね?
アイギス
くく……はははははは!!
そんなにも愉快な申し出をしてくるとは!
こんなにも楽しい夜は初めてだ!
来い、羽板さくら!
天才と謳われるその力、見せてみろ!!
○ボス撃破後
アイギス
あはははは……素晴らしい! 素晴らしい力だ!
私の身体が、もう動かないのが残念で仕方がない!
もっともっと楽しみたかったのにな!!
あははははは!!!
さくら
……はぁ……はぁ……。
慎也
おい! さくら! 大丈夫か?
だいぶ消耗したみたいだが。
さくら
うん……大丈夫……。この子を壊さないように力を
抑えるのが大変だったけど。
慎也
あの攻撃の中、よくこいつを機能停止に追い込めた
な。
さくら
アイギスさん、あなたの感情表現は、確かにこれま
でのAHCにはなかった。戦いに楽しみを見出せるよ
うなAHCなんて。純粋にその能力だけを見たら、賞
賛すべきものなのかもしれない。
だけど、あなたの感情は暴走し過ぎてる。他人を傷
つけることに楽しみを見出すなんて、そんな直情的
な感情だけを持つ人間なんかいない。
アイギス
あはははははは!!
それはどうだろうな!!!
さくら
あなたみたいなAHCが二度と作られないことを私は
望んでる。だから進むの。あなたのマスターに会っ
て──
慎也
こんな馬鹿げたことをやめさせてやる。
アイギス
お前たちは、甘いな!
わたしのマスターに勝てると思っているのか!!
さくら
やってみなければ、わからないよ。
アイギス
……ならば正面ではない。
右側の扉が正解だ。
慎也
右側の扉? どこだ?
さくら
あ!?
また、空間を捻じ曲げてある!
慎也
言われなければ気がつかなかったな。
アイギス
この先に進めば、待っているのは地獄のみ。
さくら
わかってる。ありがとう。
アイギス
………………。
【分岐終了、次のステージへ】
慎也
さくら、お前は下がってろ。
オレ一人でやる。
さくら
お兄ちゃん!
そんな、相手の挑発に乗らなくても!
慎也
あいつの望みは一対一の決闘だ。たとえ狂ったAHで
も、最期の望みを叶えてもらう権利くらいはあるだ
ろう。
さくら
お兄ちゃん……。
慎也
さくらは安全なところまで下がっていろ。
さくら
負けないでね。
慎也
当たり前だ。
アイギス
どうした?
まだかかって来ないのか?
まさか怖気づいたわけでもあるまい。
慎也
いや……お前の相手は、オレ一人だ。
一対一の真剣勝負、受けてくれるか?
アイギス
くく……はははははは!!
一人で戦うというのか! 素晴らしい!
こんなにも楽しい夜は初めてだ!
来い、羽板慎也!
最年少AHC研究員の実力のほどを見せてみよ!!!
○ボス撃破後
アイギス
あはははは……素晴らしい! 素晴らしい力だ!
私の身体が、もう動かないのが残念で仕方がない!
もっともっと楽しみたかったのにな!!
あははははは!!!
慎也
くっ……。
さくら
お兄ちゃん!大丈夫!?
慎也
疲れただけだ、問題ない。
おい、アイギス。
アイギス
なんだ?
慎也
お前は本当に優秀なAHCだ。オレたちが今研究して
いるAHCの数世代先を行っているだろう。
だが、お前は、人間の敵だ。
アイギス
あはははははははは!!
違いない!!
慎也
お前は悪い訳じゃない。お前を作った奴の心が歪ん
でたまでだ。オレはお前のようなAHを作らない。
オレが望む未来は戦いからは生まれない。
アイギス
……。
慎也
いつになるかは、分からない。だが、オレたちは、
お互いに憎みあわず、人間と共に生きていけるAHC
を作れるように願っている。
さくら
お兄ちゃん……。
慎也
行こう、さくら。
今の話は、こいつのマスターにこそ聞かせなければ
ならない。
アイギス
あはははははは!!
お前たちは、甘いな!
わたしのマスターに勝てると思っているのか!!
慎也
やってみなければ、わからないさ。
アイギス
……ならば正面ではない。
右側の扉が正解だ。
さくら
右側の扉? どこ?
慎也
あ!?
また、空間を捻じ曲げてあるのか!?
言われなければ気がつかなかったな。
アイギス
この先に進めば、待っているのは地獄のみ。
慎也
ああ、わかってるさ。
だが、それでも、勝つのはオレたちだ。
アイギス
………………。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
不憫ね……どうしてそんな狂った感情を持ってしま
ったの?
アイギス
狂った? 違うな。私は、戦いを好んでいる。
それは、何にも縛られない自由な感情、自由な意思
だ。
慎也
だが、その感情のままに暴力を振るうことは許され
ないことだ。それを抑えられなければ人間と同じ感
情を持っているとは言えない。ただの欠陥品だ。
アイギス
くくく……いいだろう。
その欠陥品の力、その眼で見るがいい!
来い! 羽板慎也、羽板さくら!!
○ボス撃破後
慎也
くっ……なんとか、やったか……?
さくら
……はぁ……はぁ……。
アイギス
あはははは……さすがだな! 素晴らしい力だ!
一対一でも楽しめたかもしれなかったな!
あはははは!!
慎也
おい、アイギス。
アイギス
なんだ?
慎也
お前は本当に優秀なAHだ。オレたちが今研究してい
るAHCの数世代先を行っているだろう。この場で壊
してしまうのが惜しいくらいにな。
アイギス
あはははははははは!!
情けをかけてるつもりか!!!!????
慎也
そうさ。だが情けをかけられるのが人間の感情だ。
お前のように、ただ人を傷つけ、そこに楽しみを見
出すだけの感情とは違う。
アイギス
……。
慎也
いつになるかは、分からない。だが、オレたちは、
相手に情けをかけられるようなAHCを作れるように
願っているよ。
さくら
お兄ちゃん……。
慎也
行こう、さくら。
今の話は、こいつのマスターにこそ聞かせなければ
ならない。
【分岐終了、次のステージへ】
STAGE5-C "真実へと続く道"
2100/01/27 03:11
さくら
ねえ、お兄ちゃん。AHCの感情表現開発って実際に
はどこまで進んでるの?
慎也
さくらが知っている程度と変わらないさ。
現在、AHCが表現できる感情は、喜び・感謝などの
「正の感情」、哀しみなどの「緩やかな負の感情」
だ。
だが、どれもまだまだ、嘘っぽい感じがするよな。
さくら
さっきの、真夜ちゃんやアルトさんみたいな「強い
負の感情」はまだ表現できないんだよね?
慎也
正確に言えば、強い負の感情は表現できる。だが、
制御ができない。強い哀しみが自分自身を傷つけ、
あるいは、強い怒りや憎しみが他人を傷つける。
さくら
さっきの真夜ちゃんたちのことだね。
慎也
そうだな。ただ、あいつらの負の感情はマスターへ
の忠誠からか、ある程度は制御されているように見
えたな。
しかし、そもそも、強い負の感情表現は必要かなの
かという議論もある。
さくら
え? どうして?
慎也
AHCが感情をつかさどる回路である以上、全ての感
情表現が出来ることが望ましいと思う人間がいる。
しかし、人間の補助としての役割を担うAHに、強い
負の感情が必要ないという意見もある。
さくら
……。
慎也
どうした? 突然黙って?
さくら
私はAHが強い負の感情を持ってもいいと思う。単な
る人間の補助だけじゃなくて、もっと人間らしくな
って欲しい。電子ペットたちもそうだけど、相手の
いろんな反応が見たい。
慎也
怒りや憎しみの感情もか?
さくら
全ての感情が表現できないから、今表現できている
感情も作り物っぽく感じるんだと思うよ。多用な感
情が表現できてこそ、一つ一つの感情が意味を持つ
んじゃないかな?
慎也
やっぱり、さくらはAHの研究に就くべきだ。オレが
見ている未来より遙かに先を見ている気がする。
それに、お前のプログラムの才能を埋もれさせるの
も惜しい。
さくら
あ……うん。
……考えておくね。
慎也
……。
【双子使用率分岐】
慎也
…………おや?
さくら
突然どうしたの?
慎也
この壁の継ぎ目、おかしくないか?
さくら
うーん? そうかな?
慎也
さくら、ちょっと、そっち側を調べてくれ。
オレは、こっち側を調べてみる。
さくら
わかった。いいよ。
……。
慎也
……。
さくら
(え!? プロテクト!?)
慎也
さくら……どうした?
さくら
(解除できそう……)
慎也
さくら……どうした?
さくら
!?
こんな通路が隠されていたなんて……。
お兄ちゃん、よく気づいたね。
慎也
いや、まさか、こんなのが隠されているとは思わな
かった。このプロテクトをあっさり解除したさくら
にも驚いたけどな。
さくら
私は、別にそんなすごくないよ。
でも、この通路は、完全に空間を捻じ曲げて作って
あるね。
慎也
ああ、こいつはただのいたずらにしては、大掛かり
過ぎる。この先に進んでみるか?
さくら
そうだね。これだけの偽装、中に何かあるのは間違
いなさそう。
【分岐終了】
さくら
…………あれ?
慎也
どうした? さくら?
さくら
うーん……。
女の子の声が聞こえたような気がしたんだけど?
慎也
いや、オレには聞こえなかったが。
(まさか「私、実は霊感があるの!」とか言い出し
たりしないだろうな……)
さくら
あれ?
お兄ちゃんのすぐ近くに──
慎也
(ああ、そんな変な子じゃないと信じてたのに…)
さくら
ちょっと周り調べるから、動かないでいて!
慎也
(いや、たとえ、さくらが世間から冷たい目で見ら
れるようになったとしても、オレだけはこいつを守
ってやらないと────)
えっ……!!
さくら
すごい……。
こんな大きな通路が隠されていたなんて……。
慎也
これは……!
完全に空間座標軸が捻られている。
周りに影響はないだろうな?
さくら
たぶん大丈夫だと思うよ。位相は変わってないし、
特異点もないみたいだからね。
慎也
そうか。
だが、こんな通路が隠されていたとなると──
さくら
この奥があやしいよね。
慎也
なら、話は早い。
さっさとこの奥に進むぞ。
【分岐終了】
さくら
なに、一体!?
慎也
どういうことだ……?
アイギス
ここは、わたしの領域だ。
ワームなどに踏み込んでもらっては困る。
慎也
馬鹿な……。戦闘用のAH!?
アイギス
わたしの名前はアイギス。
この扉の防御システムそのものだ。
お前は「戦闘用AH」と言ったが、少し違う。
わたしの使命は「守護」。お前たちのような侵入者
のデリートは勿論、マスターのサポートやシステム
メンテナンスもわたしの使命の一つだ。
さくら
それでも、あなたも「人を傷つけることが出来る」
んでしょう?
アイギス
無論。
誰に対しても全力で戦うことができるこの身体は素
晴らしい。強者と一戦を交えたときの緊張感。あれ
に勝るものはない。
お前たちの報告は受けている。素晴らしい能力の持
ち主のようだな。わたしのマスターにも劣らないか
もしれない。今夜は楽しい夜が過ごせそうだ。
慎也
戦いに喜びを見出すAHCだと!?
次から次へと信じられないものばかりを見ている気
がするな。
さくら
本当に、誰が、こんなAHCを──
アイギス
それを知りたければ、私を倒すことだ。お前たちの
知りたいことは、私の背中の向こう側にある。
慎也
こいつは、強敵みたいだな……。
アイギス
お前たちは二人がかりでも構わない。周りのワーム
どもに手出しさせる必要もないだろう。
【アイギスとの対決】
慎也
さくら、お前は下がってろ。
オレ一人でやる。
さくら
お兄ちゃん!
そんな、相手の挑発に乗らなくても!
慎也
あいつの望みは一対一の決闘だ。たとえ狂ったAHで
も、最期の望みを叶えてもらう権利くらいはあるだ
ろう。
さくら
お兄ちゃん……。
慎也
さくらは安全なところまで下がっていろ。
さくら
負けないでね。
慎也
当たり前だ。
アイギス
どうした?
まだかかって来ないのか?
まさか怖気づいたわけでもあるまい。
慎也
いや……お前の相手は、オレ一人だ。
一対一の真剣勝負、受けてくれるか?
アイギス
くく……はははははは!!
一人で戦うというのか! 素晴らしい!
こんなにも楽しい夜は初めてだ!
来い、羽板慎也!
最年少AHC研究員の実力のほどを見せてみよ!!!
○ボス撃破後
アイギス
あはははは! 素晴らしい! わたしのマスターに
匹敵するかもしれない!!
惜しい! わたしにもっともっと力があれば、もっ
ともっと楽しめたのに!!!
慎也
くっ……。
さくら
お兄ちゃん!大丈夫!?
慎也
疲れただけだ、問題ない。
おい、アイギス。
アイギス
なんだ?
慎也
お前は本当に優秀なAHCだ。オレたちが今研究して
いるAHCの数世代先を行っているだろう。
だが、お前は、人間の敵だ。
アイギス
あはははははははは!!
違いない!!
慎也
お前は悪い訳じゃない。お前を作った奴の心が歪ん
でたまでだ。オレはお前のようなAHを作らない。オ
レが望む未来は戦いからは生まれない。
アイギス
……。
慎也
いつになるかは、分からない。だが、オレたちは、
お互いに憎みあわず、人間と共に生きていけるAHを
作れるように願っている。
さくら
お兄ちゃん……。
慎也
行こう、さくら。
今の話は、こいつのマスターにこそ聞かせなければ
ならない。
アイギス
あはははははは!! お前たちは、甘いな!
確かにお前達は強いが、わたしのマスターに必ずし
も勝てるわけではない!!
慎也
やってみなければ、わからないさ。
アイギス
……ならば正面ではない。
右側の扉に行け。
さくら
右側の扉? どこ?
慎也
あ!?
また、空間を捻じ曲げてあるのか!?
言われなければ気がつかなかったな。
アイギス
この先に進めば、待っているのは地獄のみ。
慎也
ああ、わかってるさ。
だが、それでも、勝つのはオレたちだ。
行こう。さくら。
さくら
うん。
アイギス
……
羽坂慎也……羽板さくら……。
…お前たちならきっと…。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
……お兄ちゃん。ここは、私がやるよ。
慎也
おい! 一体なんでだ?
さくら
この子は一対一の対決を望んでいるのよ?
その望みにこたえてあげようと思ってるだけ。
慎也
ダメだ。危険すぎる。
さくら
彼女が人間の敵であっても、そう仕向けたのは彼女
のマスター。都合良く作られた存在であっても……
彼女の意志がそこにある。一対一の決闘を望む意志
が。
私は、それを尊重してあげたい。
AHと人間は、最期は平等であるべきだと思う。
いいでしょ? お願い……。
慎也
…………分かった。負けるんじゃないぞ。
さくら
……うんっ。
アイギス
どうした?
まだかかって来ないのか?
まさか怖気づいたわけでもあるまい。
さくら
あなたの相手は、私一人よ。いいわね?
アイギス
くく……はははははは!!
そんなにも愉快な申し出をしてくるとは!
こんなにも楽しい夜は初めてだ!
来い、羽板さくら!
天才と謳われるその力、見せてみろ!!
○ボス撃破後
アイギス
あはははは! 素晴らしい! わたしの力をはるか
に凌駕しているとは!!
惜しい! わたしにもっともっと力があれば、もっ
ともっと楽しめたのに!!!
さくら
……はぁ……はぁ……。
慎也
おい! さくら! 大丈夫か?
だいぶ消耗したみたいだが。
さくら
うん……大丈夫……。この子を壊さないように力を
抑えるのが大変だったけど。
慎也
あの攻撃の中、よく力を抑えられたな。
さくら
アイギスさん、あなたの感情表現は、確かにこれま
でのAHCにはなかった。戦いに楽しみを見出せるよ
うなAHCなんて。純粋にその能力だけを見たら、賞
賛すべきものなのかもしれない。
だけど、あなたの感情は暴走し過ぎてる。他人を傷
つけることに楽しみを見出すなんて、そんな直情的
な感情だけを持つ人間なんかいない。
アイギス
あはははははは!!
それはどうだろうな!!!
さくら
今の私では、あなたを機能停止することくらいしか
できないけれど……。
慎也
俺たちはお前のマスターを止めないといけない。
アイギス
お前たちは、甘いな!
確かにお前達は強いが、わたしのマスターに必ずし
も勝てるわけではない!!
さくら
やってみなければ、わからないよ。
アイギス
……ならば正面ではない。
右側の扉が正解だ。
慎也
右側の扉? どこだ?
さくら
あ!?
また、空間を捻じ曲げてある!
慎也
言われなければ気がつかなかったな。
アイギス
この先に進めば、待っているのは地獄のみ。
さくら
わかってる。ありがとう。
行こう。お兄ちゃん。
慎也
ああ。
アイギス
……
羽坂慎也……羽板さくら……。
マスターを救ってくれ。
【分岐終了、次のステージへ】
さくら
不憫ね……どうしてそんな狂った感情を持ってしま
ったの?
アイギス
狂った? 違うな。私は、戦いを好んでいる。
それは、何にも縛られない自由な感情、自由な意思
だ。
慎也
だが、その感情のままに暴力を振るうことは許され
ないことだ。それを抑えられなければ人間と同じ感
情を持っているとは言えない。ただの欠陥品だ。
アイギス
くくく……いいだろう。
その欠陥品の力、その眼で見るがいい!
来い! 羽板慎也、羽板さくら!!
○ボス撃破後
慎也
くっ……なんとか、やったか……?
さくら
……はぁ……はぁ……。
アイギス
あはははは……さすがだな! 素晴らしい力だ!
一対一でも楽しめたかもしれなかったな!
あはははは!!
慎也
おい、アイギス。
アイギス
なんだ?
慎也
お前は本当に優秀なAHだ。オレたちが今研究してい
るAHCの数世代先を行っているだろう。この場で壊
してしまうのが惜しいくらいにな。
アイギス
あはははははははは!!
情けをかけてるつもりか!!!!????
慎也
そうさ。だが情けをかけられるのが人間の感情だ。
お前のように、ただ人を傷つけ、そこに楽しみを見
出すだけの感情とは違う。
アイギス
……。
慎也
いつになるかは、分からない。だが、オレたちは、
相手に情けをかけられるようなAHCを作れるように
願っているよ。
さくら
お兄ちゃん……。
慎也
行こう、さくら。
今の話は、こいつのマスターにこそ聞かせなければ
ならない。
アイギス
あはははははは!!
お前たちは、甘いな!
わたしのマスターに勝てると思っているのか!!
慎也
やってみなければ、わからないさ。
アイギス
……ならば正面ではない。
右側の扉が正解だ。
アイギス
……。
さくら
右側の扉? どこ?
慎也
あ!?
また、空間を捻じ曲げてあるのか!?
言われなければ気がつかなかったな。
アイギス
この先に進めば、待っているのは地獄のみ。
慎也
ああ、わかってるさ。
だが、それでも、勝つのはオレたちだ。
アイギス
…………………。
【分岐終了、次のステージへ】
STAGE6-A "Copy Robot"
2100/01/27 05:25
さくら
ここは……!!
Illnetのシステムコア……だよね。
慎也
ああ。こんなところまで来ることになるとはな。
さくら
もう時間も明け方になっちゃってるね。
寝不足は、美容と頭脳の天敵なのに……。
慎也
美容、ねえ……。
さくら
あー、何か文句言いたそう。
私、これでも結構男の子に人気あるんだよ?
慎也
はいはい。また、今度聞くよ。
今は、それどころじゃなさそうだからな。
さくら
もー!
でも、確かにそれどころじゃないみたい。
敵さんも、本気みたいだし。
慎也
じゃ、オレたちも本気で行くとするか。
さくら
誰かいる!?
慎也
こいつは……!?
マイハのコピー
予定通りね。
慎也
予定通り?
マイハのコピー
そう。あなたたちが、この部屋に来たことが。
さくら
どういうこと?
マイハのコピー
まだ分からないのね。ここは、システムコアではな
い。わたしのマスターが作り上げた偽装空間。
つまり、あなたたちの能力では、わたしのマスター
のトラップに気がつけなかったということ。
さくら
まさか……見落とした!?
マイハのコピー
ここまで来れただけでも、十分だと思うけどね。
慎也
お前、ナノマシン研究所にいる、ナノマシン融合実
験体じゃないのか?
マイハのコピー
へえ。彼女たち、有名なのね。
慎也
彼女とは違うのか……?
マイハのコピー
彼女たちは、わたしのオリジナル、と言ってもいい
わ。わたしは、彼女たちをベースに作られた、もっ
と上位の存在。
さくら
そんなの、聞いたこともないよ。
マイハのコピー
それは、そうでしょう。公表されていないもの。
もっとも、世間に公表する必要なんかないけどね。
わたしは、マスターのためだけにいるのだから。
慎也
そのマスターとやらに会わせてもらう。
マイハのコピー
無理よ。この偽装空間は、わたしの能力を最大限に
引き出すように作られているの。あなたたちの能力
では、突破できない。
さくら
そんなの、やってみないとわからないでしょ!
マイハのコピー
ならば、来なさい。
あなたたちの墓標ぐらいは立ててあげましょう。
この創られた世界に、朽ちることのない墓標を!
マイハのコピー
まさか……わたしの能力を、上回っているなんて。
さくら
もう、やめましょう……。
私たちが、ここで争っても何の意味もないわ。
マイハのコピー
……。
慎也
お前のマスターの居どころを教えてもらおうか。
マイハのコピー
わたしのマスターは────
お前たちの排除以外を望んでいない!
一緒に死んでもらうわ!
────
さくら
っ!?
お兄ちゃん! 大丈夫!?
慎也
ああ! 大丈夫だ!
【双子使用率分岐】
慎也
くそ!今の衝撃で、周囲の空間がゆがみ始めている!
さくら
あっ!お兄ちゃん!
外部との通信が回復してるよ!
慎也
ああ。それなら、ここにいるのは危険すぎるな。脱
出するぞ!
さくら
うん……。
???
……メ………マ…………いる……。
慎也
え? ……なんだ?
さくら
お兄ちゃん!? どうしたの?
慎也
……?
さくら
お兄ちゃん! 早く逃げないと、崩れちゃうよ!
慎也
あ、ああ。分かった……。
(周囲に人の反応は無かったはずだが……。
あの声は、一体……?)
【分岐終了、エンディングへ】
さくら
あっ! 外部との通信が回復してる!
慎也
ここにいるのは危険すぎる。脱出するぞ!
さくら
うん……。
???
……メ………マ…………いる……。
さくら
えっ? ……なに?
慎也
さくら! 何してる!?
Drive-OUTするぞ!!
さくら
……?
慎也
さくら!!
さくら
あ、うん……。
(周りには誰もいなかったはずだよね……。
あの声は、誰……?)
【分岐終了、エンディングへ】
STAGE6-B "Nemesis"
2100/01/27 05:31
慎也
ここは……Illnetのシステムコアか。
さくら
なんて綺麗……。
慎也
綺麗?
さくら
極限まで高速化されたモジュール、無駄がなく柔軟
性が高いトポロジー、それらが形成するこの空間全
体の圧倒的な完成度……。
慎也
……。
さくら
ねえ、お兄ちゃんも、そう思わない?
慎也
い、いや。オレには、そんな感性は無いな……。
さくら
あ、ごめん。変なこと口走っちゃって。
慎也
変じゃない。そういう感性は、プログラマにとって
は大事なものなんだ。
さくら
そうかな?
慎也
オレたちの父さんも、プログラムコードを見ては、
同じようなことを言うだろ。父さんの感性は、さく
らに受け継がれたんだな。
さくら
私は、お父さんみたいに、すごいプログラマじゃな
いよ。
慎也
今はまだ、な。だが、さくらは、父さんみたいにな
れる潜在能力がある、とオレは思うぞ。
さくら
えへへ。お世辞でも、そういうこと言ってもらえる
とうれしいかも。ちょっと真面目にプログラムに取
り組んでみようかな。
慎也
さくらがその気になったら、うちの研究所に来れば
いいさ。もともと今のオレの役職は、本来はさくら
のために用意されたものだからな。
さくら
私が研究所で働いたら、お兄ちゃんの居場所がなく
なっちゃうよ?
慎也
うーむ、そうかもしれん……。が、その件は、この
事件を解決してからゆっくり話すことにしよう。
ここから先は、ちょっと厄介そうだ。
さくら
敵さんも本気みたいだね。
行くよ、お兄ちゃん!
さくら
誰かいる!?
慎也
こいつは……!?
さくら
この瞳……この子もAH……。
沙羅
あららら。ここまで来ちゃったのねー。
さくら
!?
沙羅
ここまで来ることができたなんて、ちょっと予想外
かな。でも、小さい頃からプログラミングコンテス
ト入賞者の常連だった二人なら、むしろ当然なのか
しらね。
さくら
私たちのこと、知ってるの?
沙羅
知ってるよ。わたしのママが、あなたたちは見所が
あるって言ってたもの。
さくら
……ママ?
慎也
Illnetを乗っ取ったのは、お前のママとやらか!?
沙羅
違うわよ。
慎也
違う、だって!?
どういうことだ……?
さくら
あなたがやったのね? この乗っ取り事件を。
沙羅
そうだよ。驚いた?
慎也
馬鹿な……!
お前が? 一体何のために?
沙羅
お前、だなんて呼ばないでよ。わたしには如月沙羅
っていう、ママから貰った素敵な名前があるのに。
それに、乗っ取りの目的なんて何でもいいでしょ?
お兄さんたちには関係ないよ。
そもそも、お兄さんたちをここに呼んだ覚えはない
の。邪魔だから、帰ってくれる?
さくら
GenesisCityを解放しなさい。あなた、自分がどれ
だけのことを仕出かしたのか、分かってるの!?
沙羅
あなたたちだって、わたしのAHをたくさん壊してる
くせに、なに被害者ぶってるの?
慎也
お前のAH?
まさか、あのAHたちのマスターはお前なのか?
沙羅
そうよ。なにを驚くことがあるの?
AHなんて、みんな使ってるじゃない。
慎也
AHがAHを作ったのか? そんな馬鹿な話が……。
沙羅
ねえ、ほんとうに邪魔なんだけど。
いい加減にしないと、本気であなたたちを
殺 す わ よ !
さくら
この子……一体、どういう感情表現を……。
慎也
さくら、ダメだ、話が通じそうにない。こいつは、
オレたちが知っているようなAHじゃない。
さくら
でも……。
沙羅
ごちゃごちゃとうるさいわね。
さっさと帰りなさい。それとも、死にたいの?
【双子使用率分岐】
慎也
くそ!
こいつ……なんだってんだ!!
沙羅
もういいわ。邪魔だから消えなさい。
全ての世界から、永遠に。
○ボス撃破後
沙羅
……ぁ……ぁ……。
慎也
くっ…………。
さくら
はぁ……はぁ……。
沙羅
あぁ……ぁ……。
慎也
沙羅……聞こえるか……?
これは、お前がやったことに対する償いだ。
静かに消えていけ。
沙羅
………ぅ…………。
……………………死んじゃえ。
さくら
っ!!!! 自爆!?
お兄ちゃん! あぶな──
沙羅
!!!!
────
慎也
さくら!!!!
おい、さくら! しっかいしろ! さくら!!
さくら!! さくらあああああああああ!!
………!!
外との通信が回復してる!
今なら、脱出できるかもしれん!
……やるしかない!!!
羽板慎也、羽板さくら。
二人のDrive-OUT強制発動……
Start!
【分岐終了、ラストステージへ】
さくら
待って! 私たちの話を聞いて!
沙羅
もういいわ。邪魔だから消えなさい。
全ての世界から、永遠に。
○ボス撃破後
沙羅
……ぁ……ぁ……。
さくら
沙羅ちゃん……。
慎也
…………。
沙羅
あぁ……ぁ……。
さくら
沙羅ちゃん、ごめんね。
ここまでするつもりはなかったんだけど……。
沙羅
………ぅ…………。
……………………死んじゃえ。
慎也
っ!!!
自爆する気か!!
さくら! 逃げ──
沙羅
!!!!
────
さくら
お兄ちゃんっっっ!!!!
しっかりして!!
目を開けて!! お兄ちゃんっ!!!!!!
どうしよう? どうしたら……?
あっ……!
外との通信が回復してる!
今なら、脱出できるかも!
考えてる時間はないね……。
お願い! 間に合って!!!
羽板さくら、羽板慎也。
二人のDrive-OUT強制発動……
Start!!
【分岐終了、ラストステージへ】
STAGE6-C "Demi-Human-Circuit"
2100/01/27 05:31
慎也
ここは……Illnetのシステムコアか。
さくら
なんて綺麗……。
慎也
綺麗?
さくら
極限まで高速化されたモジュール、無駄がなく柔軟
性が高いトポロジー、それらが形成するこの空間全
体の圧倒的な完成度……。
慎也
…………。
さくら
あ、ごめん。変なこと口走っちゃって。
私、ちょっと、おかしいよね……。
慎也
前から思っていたが、さくらのその感性はまさに天
賦の才能だな。オレには到底理解できない。
さくら
…………うん。
慎也
悪い意味で言っているんじゃない。お前は、プログ
ラマになるのを嫌がっているようだが、オレよりも
明らかに適正がある。
さくら
そんな……買いかぶりすぎだよ。
慎也
買いかぶりなんかじゃないんだ!
さくら
えっ!?
慎也
プログラムの才能だけじゃない! お前ほど、電子
ペットやAHに愛情を持っている奴は他にいない!
お前なら、きっと今のAHを超えるものを……。
さくら
……。
慎也
……大きな声を出してすまなかった。でも、本当に
さくらの能力は、他人が持っていない素晴らしいも
のなんだ。嫌悪する必要なんかない。
さくら
うん、ありがとう。でも……。
慎也
さくらがその気になったら、うちの研究所に来れば
いいさ。もともと今のオレの役職は、本来はさくら
のために用意されたものだからな。
さくら
お兄ちゃんは、いつも優しいね。
慎也
そんなことはないぞ。
……それよりも、そろそろ先に進まないとな。
さくら
そうだね。敵さんも本気みたいだから、こっちも本
気で行こう。
さくら
誰かいる!?
慎也
ああ、AHだな。それと……。
あれは………っ!
さくら
え?
慎也
まさか……!?
さくら
……ユキ?
慎也
なんで、こんなところに……!?
沙羅
なるほど、ユキが騒ぐわけね。
ユキ
ワン!
さくら
やっぱり、ユキなの!?
沙羅
こんにちは。侵入者さん。
わたしは、如月沙羅。
こうやって直接会うのは、初めてね。
そして、この電子ペットは、ユキ。
知ってるわよね?
……って、わたしの話を聞いてるかなーっ?
慎也
馬鹿な! ユキは、完全に壊れてしまったはずだ。
オレたちが自分で改造して、そのせいで……。
いろんな人に相談もしたが、結局直すことなど無理
だったはずだ……。
沙羅
それは、ただ単に、その人たちが無能だっただけじ
ゃないの?
ユキ
……。
さくら
じゃあ、あなたが……。
沙羅
そう、わたしが直したの。カワイかったし、戦闘力
も高いし、まさに番犬にぴったりなんだもの。
ねーっ、ユキ。
慎也
ユキ……。
沙羅
一応言っておくけど、今のユキはわたしの命令しか
聞かないわ。さっきも言ったけどユキは番犬なの。
あなたたちのような侵入者を排除するのが役目。
さくら
!!!
沙羅
さあて。わたしはまだやることが残ってるし。
ユキ、この人たちを排除して。よろしくねーっ。
ユキ
ワン!
さくら
ユキ!!
慎也
おい! さくら、ダメだ!
あれはもう、ユキじゃない!
ユキ
ウゥゥゥー!!
さくら
……っ!!
慎也
ここはオレに任せて、お前はさっきの沙羅とやらを
追え! おい、さくら! 聞いてるか!?
沙羅を追うんだ!
【さくらの選択……】
さくら
……うん、分かった。
私じゃ、ユキと戦える自信もないし。
慎也
ああ。そっちは、頼んだぞ。
さくら
お兄ちゃんも、気をつけて。
ユキ
グルルルルル……
慎也
ユキ……。
ユキ
ウゥゥゥ……
慎也
お前はオレを恨んでいるのかもしれないな。
それでも、オレは、お前が人間の敵になることなん
か考えもしなかった。
ユキ
グルルル……
慎也
お前を止めるよ。もと飼い主として。
そして、この事件を終わらせるために。
○ボス撃破後
ユキ
グッ……ガガ…ガ……。
慎也
すまない、ユキ。
また、お前を壊すことになるなんて……。
ユキ
…………ァァ…。
慎也
お願いだ。今度は安らかに眠ってくれ……。
ユキ
…………クゥ───ン……。
慎也
……。
ユキ
…………。
慎也
……。
はぁ……。
さて、感傷に浸ってる時間はないな。
さくらの後を追わないと……。
【分岐終了】
さくら
私が、ユキと戦う。
慎也
さくら……!?
さくら
私が、ユキを止めるよ。
だから、お兄ちゃんは、さっきの子を追って。
慎也
……大丈夫か?
さくら
絶対私が、ユキを止める。信じて。
慎也
分かった。頼んだぞ。
さくら
うん。
ユキ
グルルルルル……
さくら
あのとき……。
私があなたを壊してしまったこと、怒ってる?
今でも覚えてるよ。
動かなくなったときのあなたの顔を。
こんな形で再会したくなかったよ……。
ユキ
ウゥゥゥ……
さくら
でも、今あなたがやっていることは悪いこと。
だから、止めるよ。私が止めなきゃいけないよね。
○ボス撃破後
ユキ
グッ……ガガ…ガ……。
さくら
ゴメン……ゴメンね、ユキ。
今の私じゃ直せないの……ゴメンね……。
ユキ
……ガ……アァァ…。
さくら
本当に……ゴ……メン…ね……。
ユキ
…………クゥ───ン……。
さくら
……。
ユキ
………。
さくら
……。
ユキ………。
………。
お兄ちゃんの後を追わないと……。
【分岐終了】
【フラグ分岐】
沙羅
まさか一人で追ってくるなんて思わなかったな。
なかなか侮れないねー。
さくら
もしかして、あなたなの?
このGenesisCityを乗っ取ったのは。
沙羅
大正解。
さすがは、プログラミングコンテスト優勝経験者っ
てところかな?
さくら
私のこと、知ってるの!?
沙羅
ユキのメモリにも残ってたし、
それに、わたしのママがねーっ。
あなたは見所があるって言ってたからねーっ。
さくら
……ママ? どういうこと?
沙羅
わたしのママだよ。知らない?
さくら
ごめんなさい。わからないわ。
沙羅
ママのこと知らないの……?
神月 光紗よ。まだ分からない?
さくら
プログラミングコンテストの審査委員長……!!
沙羅
思い出してくれた? よかった。
わたしのママを忘れるなんて、ひどいね。
さくら
ママ、ね……。
マスター、じゃないのね?
沙羅
マスター?
さくら
そう。マスター。
AHには、必ずマスターがいるでしょ。
沙羅
A……H…………。
さくら
さっきから、反応がおかしいけど……。
あなた、もしかして……。
自分がAHだって分かってないのね。
沙羅
何を言うの!? わたしはAHなんかじゃない!!
神月 光紗の一人娘よ!!!
さくら
……!
沙羅
ママ! ママ! ママ!
どこにいるの!?
さくら
あなたのママは、もういないわ。
10年前に死んでしまった……。
沙羅
そんなことないもん!
ママは、時々会いに来てくれるもん!
沙羅のそばにいてくれるって言ったもん!
だから、ずっとそばにいられるように、Illnetに
肉 体 ご と 引 き 込 ん で
あ げ た の に !
さくら
肉体ごとって……!
バニシングゴーストの原因は、あなたが……!?
沙羅
ママをどこへやったの! わたしのママ!
さくら
ダメ! 落ち着いて!
沙羅
あぁ、あぁぁ、ああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああ
ああああああ!!!
○耐久弾幕突破後
さくら
なんて強い力……!
私一人じゃ……。
沙羅
あはははははは!
どうしたの!? もう終わり!?
さくら
くっ…………。
慎也
さくら!!
さくら
お兄ちゃん! 大丈夫だった!?
沙羅
さっきの片割れか!?
ユキは…………まさか!?
どうシテ、みんな、わたしのモノを奪おうとスルの
……。
慎也
これは……!?
さくら
この子、暴走しているの。
感情表現を豊かにするために、自分が人間だと思い
込まされて……それで、矛盾が……。
慎也
自分を人間だと思い込まされて。
挙句の果てに、暴走か……。
さくら
お兄ちゃん………………ユキ……は?
慎也
…………………すまん。
さくら
…………そう。
沙羅
許さナイ……。
さくら
いいの。お兄ちゃんのせいじゃないよ。
それよりも、この子を止めないと。
慎也
分かった。どうやら、これが最後みたいだな。
さくら
強い障壁を張ってて、私一人じゃ勝てないの。
慎也
二人の力をあわせた攻撃なら破れるさ。
さくら
うん。
沙羅
許さナイ、許さナイ、許さナイ!!
ミンナ、ワタシから奪ってイク!
全てヲ奪ッテイク!
お前タチに夜明けは来ナイと知レ!
コノ……永遠ノ黄昏の中に消えロ!!
沙羅
ウぁあアあア!
慎也
なに!?
まだ逃げるだけの余力を残していたのか……。
────
さくら
きゃっ!
慎也
あいつ、なんかしやがったな!
さくら
あ! 周りの空間がゆがみ始めてる!
慎也
ちょっと、やばそうな状況か……。
さくら
お兄ちゃん! 外との通信が回復したよ!
慎也
…………。
さくら
お兄ちゃん?
慎也
さくら、お前は先に脱出しろ。
さくら
えっ!?
慎也
沙羅をこのまま逃がしておくのはまずい。
オレはあいつを追いかける。
沙羅のAHCは特別製だ。誰かが沙羅を悪用すること
もありうる。最後まできっちり面倒みておかないと
な。
さくら
それは確かだけど、でも、お兄ちゃんだけが残るな
んて……。
慎也
さくら、お前、怪我……してるだろ?
さくら
気づいてたの……。
慎也
とっくの前から気づいてたさ。
いいか、この先はオレ一人で行く。
お前はすぐに脱出するんだ。
さくら
うん……。
慎也
大丈夫。必ず帰る。
さくら
待ってるからね。
慎也
ああ。
しかし、かなりまずいな。急がなければ。
沙羅
マ……マ…………。
慎也
沙羅!
沙羅
ガァ……!! コノ……!!
慎也
沙羅、よく聞いてくれ。
沙羅、お前はAHだ。マスターはいても、ママはいな
い。お前のAHCはあまりにも特別だ。今のオレがお
前を救う術は持っていない。だから───
せめて、静かにここで眠ってくれ。
沙羅
!!
慎也
すまない、沙羅!
最後の勝負だ!
沙羅
ウァアアアアアア!!
○INSANITY BREAK
沙羅
……ガァ……ァ……。
慎也
すまん、こんなにしちまって……。
沙羅
ァ……。
慎也
オレは、壊す以外に救う方法を持っていなかった。
すまん……。
沙羅
……ァ……。
慎也
お前のような不幸なAHCが二度と生まれてこないよ
うに、オレたちは努力し続けるよ。
沙羅
…………。
……。
【分岐終了、ラストステージへ】
沙羅
まさか一人で追ってくるなんて思わなかったな。
なかなか侮れないねー。
慎也
おい!
このGenesisCityを乗っ取ったのは一体誰だ?
沙羅
なーんだ。知ってて追って来てるのかと思ったけど
違うのかーっ。
慎也
なに!?
沙羅
わたしよ。その犯人は、わ・た・し。
プログラミングコンテスト入賞者といっても、案外
頭は良くないのね。
慎也
オレのことを知ってるのか!?
沙羅
ユキのメモリにも残ってたし。
それに、わたしのママがねーっ。
あなたたちは見所があるって言ってたからねーっ。
慎也
ママだと!? 何を言ってるんだ?
沙羅
ママのこと知らないの……?
神月 光紗よ。まだ分からない?
慎也
プログラミングコンテストの審査委員長……!!
沙羅
思い出してくれた? よかった。
わたしのママを忘れるなんて、ひどいね。
慎也
あの人が、お前のマスターということか。
沙羅
マスター?
慎也
そうだ、お前のマスターだろ?
沙羅
マ……スター…………。
慎也
AHなのに自分のマスターを認識できていないのか?
沙羅
何を言うの!? わたしはAHなんかじゃない!!
神月 光紗の一人娘よ!!!
慎也
何を言っているんだ!?
沙羅
ママ! ママ! ママ!
どこにいるの!?
慎也
お前、自分を人間だと思い込んでいるのか……?
そもそも、神月さんは10年も前に亡くなっている
んだ。
沙羅
そんなことないもん!
ママは、時々会いに来てくれるもん!
沙羅のそばにいてくれるって言ったもん!
だから、ずっとそばにいられるように、Illnetに
肉 体 ご と 引 き 込 ん で
あ げ た の に !
慎也
肉体ごと引き込んだ、だと……。
バニシングゴーストの原因は、お前が……!?
沙羅
ママをどこへやったの!! わたしのママ!!
慎也
くっ! おい! 落ち着け!
沙羅
あぁ、あぁぁ、ああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああ
ああああああ!!!
○耐久弾幕突破後
慎也
こいつ……。
オレの力だけじゃ、勝つのは無理か……。
沙羅
あはははははは!
どうしたの!? もう終わり!?
慎也
まずいな…………。
さくら
お兄ちゃん!!
慎也
さくら!! 無事だったか!?
沙羅
さっきの片割れか!?
ユキは…………まさか!?
どうシテ、みんな、わたしのモノを奪おうとスルの
……。
さくら
この子は……!?
慎也
こいつ、自分を人間だと思い込んで、暴走している
んだ。おそらく、感情表現を豊かにするために、そ
うさせられたんだろうが……。
さくら
そう……。
慎也
ユキはどうなった?
さくら
……………………。
沙羅
許さナイ……。
慎也
もういい。お前のせいじゃない。
それよりも、こいつを止めないと。
さくら
可哀想だけど、止めないとね。
慎也
ああ。
沙羅
許さナイ、許さナイ、許さナイ!!
ミンナ、ワタシから奪ってイク!
全てヲ奪ッテイク!
お前タチに夜明けは来ナイと知レ!
コノ……永遠ノ黄昏の中に消えロ!!
沙羅
ウぁあアあア!
さくら
あ! 逃げられちゃう!
慎也
くそ!
まだ逃げるだけの余力を残していたのか……。
────
さくら
きゃ!
慎也
くっ! あいつ、なんかしやがったな!
さくら
…………。
慎也
お、外との通信が回復した!
周囲がゆがみ始めてる。脱出しよう!
……おい、さくら!?
さくら
お兄ちゃんは、先に脱出して。
慎也
さくら……お前、まさか……。
さくら
沙羅ちゃんをこのままにしてはダメだと思うの。
もう、ユキのときみたいに後悔したくないの。
私、沙羅ちゃんを救いたい!
だから、お願い! 私に沙羅ちゃんを追わせて!
慎也
それなら、オレも一緒に───
さくら
お兄ちゃんは、先に脱出したほうがいいよ。
さっきの戦闘で、怪我……してるでしょ?
慎也
気づいてたか……。
さくら
あんまり時間がないから、もう、行くね。
慎也
必ず戻って来いよ。
さくら
うん。
……急がなきゃ。
沙羅
マ……マ…………。
さくら
沙羅ちゃん!
沙羅
ァ……!! コノ……!!
さくら
お願い、落ち着いて!
私、あたなたを助けに来たの。あなたはとても優秀
なAHでしょ? 分かるよね、自分がAHだってこと。
あなたのママ……マスターは、もういなくなってし
まったけど、あなたが消えるしまう必要はないの。
私が、あなたのバグを直してあげる。だから───
私と、一緒に来て。
沙羅
ウァアアアアアアア!!
さくら
沙羅ちゃん! しっかり意識を持って!
沙羅
ウァアアア!!
○INSANITY BREAK
沙羅
……ガァ……ァ……。
さくら
ごめんね、こんなにしちゃって。
でも、コアは傷つけてないから……。
沙羅
ァ……。
さくら
大丈夫、あなたの感情回路のバグは必ず直してあげ
る。私が、あなたのママになってあげる。だから、
一緒に行こう、ね?
沙羅
………………ママ。
さくら
ほら、行くよ。
沙羅
………ウン……
【分岐終了、ラストステージへ】
※ラスボス第一段階〜第二段階では、正確には双子使用率により再度分岐する。
よほど偏っていないとユキと戦ったキャラと違うほうでラスボス第二へ進むことはないが、一応。
STAGE7 "未来を翔る翼"(ノーコンティニュー)
または "Drive-OUT Process"(コンティニューあり)
2100/01/27 06:43:32
崩れ落ちる仮想都市で、
Drive-OUTが起動したのは奇跡であった。
だが、奇跡は、彼に試練を課した。
後に、『黄昏の88秒』と呼ばれる最後の試練を……
2100/01/27 06:43:32
SHINYA DRIVE-OUT PROCESS....START
○88秒経過
2100/01/27 06:45:00
SHINYA DRIVE-OUT PROCESS....
【エンディングへ】
2100/01/27 06:43:32
崩れ落ちる仮想都市で、
Drive-OUTが起動したのは奇跡であった。
だが、奇跡は、彼女に試練を課した。
後に、『黄昏の88秒』と呼ばれる最後の試練を……
2100/01/27 06:43:32
SAKURA DRIVE-OUT PROCESS....START
○88秒経過
2100/01/27 06:45:00
SAKURA DRIVE-OUT PROCESS....
【エンディングへ】